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中国は2025年までに内部崩壊する?

 急成長している中国経済ですが、中国の所得分配は非常に偏っており、人口の約半分にあたる7億人の国民は、月収2000元(約3万2000円)以下で生活をしているとされ、 この所得格差が改善されない限り、個人消費が伸びることはないといわれています。

 さらに 、中国も「少子高齢化」が急速なペースで進んでいます。  国連は「総人口に占める65歳以上の割合が14%を超える」社会を「高齢社会」と定義づけていますが、 中国の民間シンクタンクは、「2022年に中国の総人口に占める65歳以上の割合は15%以上になる」と予測しています。

 日米など先進諸国が高齢社会となった時点の1人当たりのGDPは、2万ドルをはるかに上回っていましたが、これに対して中国の1人当たりのGDPは1万ドル程度にとどまっており、 中国社会は「豊かになる前に老いる」事態に直面しているわけです。

 日本では生産年齢人口(日本は15歳〜64歳)が1995年から、また総人口も2011年から減少し、人口動態が経済成長にマイナスに働く「人口オーナス」が常態化していますが、 中国も「一人っ子政策」による人口構成の極端なアンバランスにより、生産年齢人口は2013年をピークに減少し、 2015年に人口オーナス時代に突入したのではないかと見られます。

 さらに中国内の人件費の高騰に加え、米国との貿易摩擦の激化により外資企業が中国から相次いで撤退しており、中国経済をこれまで支えてきた「外循環」にも赤信号が点滅し始めているようです。   米ラジオ・「フリー・アジア」によれば、外資企業の移転先であるベトナムに密入国しようとする中国の失業者が続出しているため、中国政府は国境付近に長さ数百キロメートル、 高さ2メートル以上の壁を建設せざるを得ない状況に追い込まれているとされ、中国経済の悪化が予想以上に深刻化しているようです。

 中国は「今後10年以内に米国を超え世界一の経済大国となる」としていますが、「内外からの圧力の高まりで一瞬の内に瓦解してしまう」というリスクもますます高まっているようです。

 習近平総書記は中国共産党の存亡に最も危機感を持っていると言われますが、習氏が最高指導者の地位を他の人に譲らない場合、党内の権力闘争が一段と熾烈になるのは確実であり、 この状況を打破するため、今後もますます周辺諸国への拡張政策を推し進めてくるかもしれません。 東アジアにおける一触即発の危機は、 より一層高まっているようです。(2020.11.3 Business Journal 引用)


近づく一党独裁時代の終焉

 中国は、希代の暴君毛沢東(もうたくとう)時代(1949〜1976年)には、知識人を中心にして数千万人の人々が殺されたり自殺に追い込まれたりしています。  ただ、毛沢東は米国を敵対視したものの、 極力対立することを避け、直接的にやり合うことはほとんどありませんでした。  しかし、やがて中国は国際社会からますます孤立してしまい、一時は米ソ両大国を敵に回して、 世界と断絶するような鎖国政策を取らざるを得なくなりました。

 ケ小平(とうしょうへい)時代(1977〜1989年)は、毛沢東の政治路線とは正反対の改革・開放路線を進めます。 「才能を隠して、内に力を蓄える」 という韜光養晦(とうこうようかい) 政策を堅持して、外交・安保政策では米国を敵対視することを極力回避し、 むしろ経済成長のために必要な資金と技術を諸先進国から導入することを目指しました。

 これに対し西側先進国は、中国がそのまま開放を拡大して成長が続けば、いずれか「西側の価値観と民主主義制度」を受け入れて、 穏やかな国になるだろうとの期待感を膨らませ、中国の近代化と経済成長をさまざまな形で支援したわけです。   アメリカや日本などの先進国は、天安門の血の鎮圧の後でも、 依然として中国への幻想を捨てきれず中国への支援を続けました。

 このお陰で中国の経済規模の拡大は勢いを増し、これを背景にあとを継いだ習近平(しゅう きんぺい・2012〜)は小平以来の「韜光養晦」戦略と決別し、 「平和的台頭」の仮面をかなぐり捨て、覇権主義戦略の推進を推し進めます。  その結果、中国は日本や西洋諸国をしのぐ世界第二の経済大国になったわけです。   それに伴って中国の全体的国力と軍事力が飛躍的に上昇し、世界有数の軍事大国となります。 西側の目論見は完全に裏目に出たのです。

 習近平は巨額な外貨準備高を武器に国際的にますます横暴になり、世界覇権を目論み覇権主義的・帝国主義的拡張戦略を推し進め、米国とまともに張り合おうと動き出します。   「一帯一路」による「中華経済圏」の華夷秩序(かいちつじょ)、すなわち中国の皇帝を頂点とする階層的な国際関係の構築を企て、 アジア諸国やアフリカ諸国を借金漬けにし身動きできなくさせ、意のままに操ろうとします。

 さらに、南シナ海に人工島を次々に建設し、アジアと環太平洋諸国にとっての生命線である南シナ海のシーレーンを軍事支配戦略の推進によって抑え込み、 今ではアジアと世界全体にとっての脅威となっているのです。  もはや、 中国に対する「穏やかな民主主義国家化」という西側先進国の甘い期待は完全に裏切られました。

 しかし、これが世界最強の技術大国・軍事大国アメリカを目覚めさせます。   中国の貿易黒字の6割はアメリカ市場から稼いでいるとされ、 広大なアメリカ市場こそが中国の経済成長の命綱の一つなのですが、トランプ政権は中国製品に高い関税をかけ、アメリカ市場から中国の輸出品を締め出す「米中貿易戦争」を仕掛けたのです。   その結果中国経済が一気に低迷し、いずれ一党独裁時代の終焉か、というしっぺ返しを食らってしまったのです。(2019.10.7)


  

「韜光養晦」からの明白な決別

 中国は明朝時代にはアフリカまでの大航海も行なっていたほど積極的な開放政策をとっていましたが、15世紀の中頃から鎖国政策に転換し、儒者による政治が行なわれて以降、 中華思想に凝り固まり衰退していったとされます。   「政治が経済を止めた」わけですが、ここにきて再び中国はケ小平時代の改革開放路線から大きく転換し、 政治の力がすべてを凌駕するかのような状況となりつつあります。

 中国はこれまでの40年間ケ小平氏が敷いた、中国を貧困の悪循環から脱却させ、目覚ましい発展に導く「改革・開放路線」を歩んできました。 ケ氏は中国外交の基本方針として、 韜光養晦(とうこうようかい)を掲げます。  これは「才能を隠して、内に力を蓄える」ということで、将来の指導者たちに対して、「アメリカとの協力を発展させ、敵対しない」 ことを強く指示したとされます。

 それ以降の中国の指導者はこの忠告にしたがってきました。   江沢民氏は対米関係を強め、クリントン大統領の時代にアメリカとの戦略的パートナーシップを結び、胡錦濤氏もアメリカとの対立を避けてきました。     ところが近年の中国は40年以上にわたって続いた改革開放路線の「韜光養晦」と決別し、習近平体制の下で「戦狼外交」(せんろうがいこう)という攻撃的な外交スタイルでアメリカとの対立路線に転換したのです。

 2015年9月3日の「抗日戦勝利70周年」の軍事パレードで閲兵に臨んだ習氏は人民服姿でした。  2021年7月1日の中国共産党創立100年の式典でも、天安門の楼台に上がった全員が背広にネクタイ姿だったのに、 習氏だけは人民服姿でした。  さらに、個人崇拝は共産党規約で厳しく禁じられているにもかかわらず、小中高校では2021年9月の新学期から「習近平思想」が必修化され、 個人崇拝を求めるようになりました。    これは「習近平だけが毛沢東の後継者であり特別である」こと示すものであり、毛沢東時代への復帰なのかもしれません。

 2018年3月22日にトランプ大統領が「宣戦布告」し、7月6日に「開戦」した対中貿易戦争により、中国経済は明らかにボディブローが効いてきており、足元がかなりふらついてきた状況といわれます。     一般的に米中貿易摩擦は、2018年7月、トランプ前大統領が第1弾の制裁関税を発動したことで始まったと、一般に理解されていますが、実はアメリカ側から始めたものではなく、 中国の外交姿勢が転換したことによるものであり、始まりはもっと早かったのかもしれないとされます。

 2019年10月にトランプ前政権のペンス副大統領は中国批判の演説を行ないましたが、 この演説は当時は異例に激しいものと受け止められたのですが、いま考えれば中国の外交政策の転換に反応したものだったのいうわけです。(2021.10.2 msnニュース 引用)


綻び始めた習近平体制

 アメリカを始めとする西側諸国は、2018年頃から急激に発展する中国先端技術開発にストップをかける動きを取り始め、 中国・華為技術(ファーウェイ)のナンバー2であるCFO・孟晩舟が、カナダで逮捕されるという事件が起きます。

 2019年、とうとうアメリカは中国に対し貿易戦争を仕掛けます。 いくら、西側の投資家や企業たちが中国で儲けさせてもらっていたとしても、 その投資がますます中国という国を太らせ、その結果西側グローバル秩序の勢力圏を中華秩序圏に侵されかねない危機感を持ち始めた今、 習近平は「自由社会の最も危険な敵」と見なされたのです。    中国の台頭を抑え込もうとする動きが出てくるのは当然です。

 中国は“ゼロコロナ政策”を実施して以降、経済よりも政治や政権維持を重視する習政権の強権政治が嫌われ、国内に経済の先行きや雇用などへの懸念が高まります。 2023年1月にゼロコロナ政策が終了すると、 海外移住者は一気に加速します。

 さらに追い打ちをかけたのが、「不動産バブルの崩壊」です。   リーマンショック後の中国では、マンション建設などの投資が急増加し、それを支えに鉱工業生産や雇用機会は増えました。  しかし、 不動産バブル崩壊により不動産、地方政府傘下の“地方融資平台”と呼ばれる政府系企業、そうした企業に資金を融通した“シャドーバンク(影の銀行)”などの分野で不良債権問題が深刻化。   投資牽引型の経済運営は限界になりつつあります。

 その一方、習政権は過度な受験競争の抑制、愛国教育の強化、民間IT先端分野における企業家の締めつけ強化など、経済のダイナミズムを減殺するような政策ばかりに力を注ぎ、 大手銀行などに公的資金を注入して不良債権処理を進める、などという姿勢は示していません。

 また中国企業にはEVやバッテリー、サイバーセキュリティー技術、人工知能(AI)などの分野で 世界トップレベルの特許件数を持つ企業がありますが、それらを生かすために、規制を緩和し、成長期待の高い半導体や人工知能などの分野にヒト・モノ・カネが再配分されやすい環境を整備する、などといった経済政策は打たれていません。

 政治的不安や経済政策の失敗に加え、少子化政策の余波による生産年齢人口の減少により中国国内の労働コストが上昇したため、海外に事業拠点を移す企業の増加傾向もますます強まっています。  そのため雇用機会は減少を続け、 深刻な就職難も発生しています。  これに追い打ちをかけたのが不動産バブル崩壊で、これでさらに雇用・所得環境が悪化。  デフレ圧力が高まり、個人消費、企業の設備投資の減少という負のスパイラルに陥っているわけです。(2023.12.26)


  

綻び始めた経済拡大政策

 「変化は大き過ぎた......」。 中国は巨額の投資を繰り返し、高速道路網と高速鉄道網を含む多くの巨額プロジェクトを推進させてきましたが、不必要なプロジェクトが溢れ、ここにきて債務が急増し、 こうした投資の奔流は弱まっていると言われます。  習近平が総書記になってからは、景気のテコ入れのため巨額の公共投資を行ってきたわけですが、結果は地方政府と国有企業が巨額の負債を抱え込んでしまう事態となったのです。

 巨額のインフラ投資で経済成長を促進してきた中国ですが、その全てが初期投資を上回る経済効果を生み出しているわけではなく、 中国の独立系シンクタンクでさえ、「遅かれ早かれ、中国の諸都市では、いくつかの高層ビルを破壊せざるを得なくなる」、と語っています。

 中国政府は無駄な支出からの脱却を試みてはいますが、中国GDPの伸びは依然として固定資産投資が約3分の1を占めているとされます。  成長目標の達成を迫られている当局者にとっては、インフラ投資は引き続き魅力的な選択肢だといいます。   経済成長が国民の支持を得ている限り、簡単にインフラ投資をやめることはできない、という事情があるわけです。

 習近平が行ってきた強引な対外政策は失敗だらけで、「中国の夢」をスローガンに推し進めてきた一帯一路政策やAIIB設立などは、マレーシアやモルディブに反中政権ができるなど失敗が明らかになりつつあります。    南シナ海で行ってきた強引な膨張政策は米国との深刻な対立を招き、いまや貿易戦争へと発展しつつあります。

 経済が低迷し対外膨張政策も上手く行かない中で残された方法は、 力ずくで徹底的に民衆を管理し、文句を一切言わせない統制社会を作る道しか残されていません。  2012年以降15〜20%で推移してきたインフラ投資の伸びが、 今後は一桁台前半にとどまると予想されていますが、果たして中国経済の行方はいかに.......。(2018.10.23)

 その後の中国は、いまやなりふり構わぬ時代錯誤の超侵略国家として、 南シナ海、東シナ海で傍若無人の威嚇行動を繰り広げており、さらに恐ろしいことにいまの中国は 『トゥキディデスの罠』に嵌まりつつあります。   この行き着く先は戦争しかありません。   過去3つのパターンで興亡を繰り返してきた中国ですが、第(4)のパターンとして、次はいよいよ『他国(台湾)に対する侵略戦争』が追加されようとしているのです。(2023.12.23)


揺らぐ中国の国内体制....始まった人民への弾圧

 中国共産党の価値観とは、人は生まれながらに平等ではなく、支配されるべきものと支配するべきものに分かれているというものであり、 共産党にとって14億という膨大な人民は最大最凶の暴力装置であり、 その暴力装置である人民に対して、共産党が強権を使って支配し指導し管理しコントロールしなければ、体制や社会の安定が維持できない、というものです。

 中国では反体制と見なされたら最後、有無を言わさず当局に拘束され所在不明になることは珍しいことではありません。   「神隠し」でもあるまいに、有名人であろうが国際機関のトップであろうが、ある日突然失踪しその事実がなかなか公表されない、人権派弁護士が次々検挙、投獄される「人さらい」が横行する..... こんな野蛮劇が日常的に起きている国が中国なのです。   中国という国はいまだに前近代的な独裁国家なのです。

 常に政権転覆の恐怖に脅える中国は、執政者側が人民蜂起を抑止する4つの「施策」を用いるとされます。     (1).人民を強く抑え込む、(2).人民に適度のガス抜きを与える、(3).人民の「地雷」を踏まぬよう気をつける、 (4).人民が一致団結しないようにする、の4つです。

 2018年6月、世界的に名が知られハリウッドでも活躍した女優、范氷氷(ファン・ビンビン)さんが、突然姿を消すという異変が起こります。   姿を消していたファン・ビンビさんは、 ようやく9月下旬になって「脱税の容疑」で事実上拘束されていたことが明らかにされ、公の前に無事姿を現します。   范さんは結局約145億円の追徴課税と罰金が科されました。

 2018年9月、国際刑事警察機構(ICPO・インターポール)の総裁を務めていた中国出身の孟宏偉氏が、一時帰国後行方不明となる出来事が起こります。   世界の警察トップの謎の失踪は国際社会から高い関心を集め、フランス警察も捜査を開始する騒ぎとなります。

 その後中国当局はようやく「汚職で取り調べをしている」と発表し、孟氏の身柄を拘束していることを認めました。   孟氏はICPOのトップとなったことで、 中国政府高官らが海外に持つ秘密口座を調べたとされ、それが明かされると不都合との理由で拘束されたのでは、と推測されています。  こんなことが法治国家で起これば大問題となりますが、 サスガ独裁国家だけあって、人権無視の横行する情け容赦ないやり口が当たり前の中国の恐怖政治の実態が広く世界に知れ渡ってしまったのです。

 孟氏が拘束された本当の理由については一つは、国家副主席の王岐山氏に近い企業、海航集団の王健会長が今年7月、視察先のフランスで不審死したことに孟氏が関与したこと。   もう一つは、孟氏は米国への亡命を企て、中国の最高機密である共産党指導者の親族の海外における資産リストを米国に提供しようとしたことなどが取りざたされています。

 皮肉なことに、孟氏は中国国内の治安当局を束ねる公安省の高官を長年務めてきた人物で、「被疑者を失踪させる」人権無視捜査の陣頭指揮を担当してきた張本人といいますから、 今度は自分にお鉢が廻ったということでしょうか。    いずれも汚職や腐敗、不都合な情報に対し、見せしめとして大物を摘発する中国的なやり方とされますが、古来より人民蜂起が頻発してきた中国は、 執政者と人民が常に緊張関係という危ういバランスで成り立っている国であり、中国当局に一旦目をつけたら最後、誰であろうが捕まってしまうという実態が明らかとなりました。    人権など度外視の中国は真にコワイ国なのです。

 これからも次々と「人さらい」が横行する事態が続くことになったら、いよいよ習近平体制崩壊の兆しが見えてきた、ということになるのでしょうか。  今はかろうじて経済成長が人民の支持を得ている 現状にあるわけですが、もし経済発展が頓挫し、中国の超法規的かつ人権無視の野蛮劇がこの先も続くようでは、 いずれ一触即発の危機を孕む事態へと動いていく可能性は出てきます。  今世紀前半にまたもや中国王朝の崩壊劇が見られるかもしれません。

 それにしても法や正義とは懸け離れた共産主義国家から、よくもまあICPOのトップが選出されていたものです。  中国が国際的影響力を高める中で、 なにやら世界はどこかタガの外れた社会になりつつあるようです。   世界の常識に挑むような中国流の荒々しいやり方が、このまま今後も広がっていくような事態が予想されます。(2018.10.17)


「ウィーチャット(WeChat)」による監視社会

 ウィーチャットとは中国IT企業大手のテンセントが提供するSNSアプリで、LINE(ライン)のようなチャット機能とFB(フェイスブック)のような情報発信機能を備えているとされます。     今や中国ではありとあらゆるサービスをこのプラットフォーム(中国名は「微信」)が提供しているとされ、 名刺交換もウィーチャットのID交換にとって代わられるほどなのだとか。

 毎日450億の情報発信が行われるというチャット機能の拡散力はすさまじく、中国で「反日ムードが友好ムード」に一転したのも、このウィーチャットの力ではないかと受け止める人もいるとされます。     しかし、便利な反面、ネット上の情報発信を厳しく監視している中国では、ウィーチャット上の情報発信は公安から見張られているといい、 「ウィーチャットを使って本音を発信すると、とんでもないことが起こる」とも指摘されます。

 さらに、友人とのチャットでうっかり“特定のキーワード”を使ってしまった人が、即刻ウィーチャットのアカウントが使えなくなってしまい、 ウィーチャットペイにプールしているお金も動かせなくなってしまったという事案も起こっているとか。

 1941年にナチス・ドイツに対抗して、自由と民主主義を監視する機関として設立された国際NGO団体「フリーダム・ハウス」によると、中国は「地球上で最も不自由な国の1つ」とされ、 その自由度は100点満点でわずか11点だそうです。(2019年、日本は96点)。

 監視社会という大きな鳥かごの中で生きてきた中国人たちは、「ウィーチャットがなければすべてが立ち行かなくなる。  中国で生活するにはこの状況を受け入れるしかない」という考えの人が多いといいます。   一方“IT弱者”の老人たちはこの中で取り残され不便を囲っているわけですが、独裁国家・中国はそんな瑣末な事など気にしないし、「高齢者を気にしていたら中国は発展しない」というスタンスの人間も大勢いるわけです。(2019.12.10)


  

広がる中国政府の締め付け

 習近平国家主席は、共産主義の原点への回帰ともいえる「共同富裕」を打ち出します。  このような政策が打ち出されたのは、 中国の国家政策の基本が大きく転換しつつあることを意味しています。

 中国政府は社会的不満の元凶と見なされる産業に対し、引き締め、規制強化などの動きを強め始めました。  その第1がIT企業です。   IT企業が生み出した技術が中国発展の重要な要因であることは認めても、そこへの富の集中は度を越しており、このため中国共産党はアリババなどに対して共産党の指導に沿うような組織変更や幹部の入れ替えを強要するなど、 IT企業に対する規制策をますます強めています。

 中国共産党の第2のターゲットは、学習塾などの教育産業とされます。   これは、教育費高騰の元凶とみなされ、週末や休日に学校の教育課程を教えることや、 外国人を雇ってリモート教育を行なうことも禁止されます。    中国政府は2021年7月24日、学習塾などを運営する教育サービス企業は、非営利団体にするとして教育産業の非営利化を求めますが、この規制で、中国の教育産業企業の株価は大暴落しています。

 「中国共産党の第3のターゲットは芸能界です。 上海市税務局は、8月27日、女優の鄭爽氏がドラマ出演料などについて脱税や納税漏れがあったとして、 2億9900万元(約50億円)の追徴課税・罰金処分を科し、放送業界を監督する国家広電総局は、テレビ局などに対して鄭氏の出演作品の放映や今後の出演を禁じます。     鄭氏はSNSで「社会に悪い影響を与えてしまった」と謝罪させられました。

 中国共産党の中央ネットワーク安全・情報化委員会弁公室は、未成年者などから過剰な手段で資金を集める行為を取り締まる方針を打ち出し、 党中央宣伝部は芸能人や企業を党が厳しく管理し、思想教育を強化すると通知し、ファンクラブの資金集めなどに対する規制を出しました。

 住宅価格の高騰を抑えようとする中国政府当局は、不動産会社の資産に対する負債比率を抑えるなどの締め付けを強化し、その影響で不動産大手・中国恒大集団は借り入れが難しくなり、 資金繰りに窮することになった結果、株価が香港市場で大幅に下落、欧米市場や日本市場でも大きく値下がりします。   社債の利息支払いを控える恒大は、2021年6月末時点での同社の負債総額は約2兆元(約33兆円)にも上るとされ、 債務不履行に陥る危険があり、それによって、中国経済全体が打撃を受けるとの懸念が生じています。 (のちに「不動産バブルの崩壊」でこの懸念は的中しています)

 中国におけるこうした政策転換は他国にも大きな影響を与え、海外の中国に対する投資によって資産を増やしてきた投資家やファンドは、中国への投資が極めてリスクの高いものになったため、 投資の基本的な見直しを迫られることになります。   中国当局が富裕層への締め付けを強化する結果、「グッチ」「ルイ・ヴィトン」「バーバリー」「カルティエ」「ピアジェ」などの世界的な高級ブランドを擁する企業の株価が軒並み急落し、 ポルシェ、フェラーリなどの自動車会社の株価も10%あるいはそれ以上下落し、海外高級ブランドは痛手を被ります。(2021.10.2 msnニュース 引用)


 

中国に投資したいという顧客は1社もいない

 オックスフォード・エコノミクスのアナリストによると、現地法人を一から作る中国へのグリーンフィールド投資は、2010〜11年は年1000億ドル前後だったのが、2022年には わずか180億ドルに落ち込んだとされます。   この背景には3年間にわたる「ゼロコロナ政策」による厳格な検疫手法や、情け容赦ない都市封鎖施策などを見た西側企業が、 中国に対する信頼を失墜させたことや、このまま中国を唯一の供給国としてしまうことに、懸念を抱いたことがあります。   マア、遅きに失したわけですが。

 中国と西側諸国の間の競争や政治的摩擦は激しさを増しており、日本、米国、欧州はすでに中国企業向けの先端半導体製造装置の輸出を制限しつあります。  このまま中国への直接投資が急減していけば、 いずれ「中国に投資したいという顧客は1社もいない」状況になる可能性も見えてきています。

 ただ、ある靴下メーカーは、長江デルタ地帯の海寧からペルーへと生産拠点を移すことを検討したが、品質と価格の面で中国に及ばなかったといいますから、海外企業が中国に見切りをつけ 他国に鞍替えするという事態が直ちに起こるということはまだなさそうです。  それでも、今後中国で生産能力を増強するのを中止したり、回避したりする企業がかなりの数に上ることは間違いないでしょう。

 一方中国も黙っていません。  その報復として希少鉱物の輸出を制限するという現状があり、さらにバイデン米政権は今後数週間内に新たな対中投資規制を導入する可能性が高いといいます。

 いずれにせよ、従来から西側の対中経済政策には一部から悲観論はあったものの、これまで長年にわたり対中直接投資は世界貿易の確固たる一部と見なされてきただけに、 近年の「中国離れ」という大きな地殻変動の行方は要注目です。(2023.8.11 msnニュース 引用)


中国から工場撤退させる日本企業

 かつて1980年代には、日本企業は人件費の安さから次々と中国に工場を建てていました。  しかし最近では中国から工場を撤退させる日本企業が増加の一途をたどっています。   さらに外資系小売の撤退も中国市場で相次ぐようになっています。

 実は、企業がある製品を一定量作るのに必要とする労働経費、いわゆる単位労働コスト(ユニット・レーバー・コスト)は、すでに2013年頃から日中が逆転していたといわれます。     これには、不動産価格の大幅な高騰も関係しているとされますが、いずれにしろ日本の製造業が中国に工場を置く魅力は当に無くなっていたわけです。

 もともと中国の製造業はローエンドとミドルレンジに集中しており、主にミドルレンジ・ハイエンドに集中している日本製品のイメージと影響力には及ばず、 「コストは上がっているのに付加価値はついてこない」状態だったとされます。

 人件費に関しては今でも日本の方が高いのは確かですが、そういう事情もあり中国も以前ほどコスト面での魅力がなくなっているため、日本に工場を戻しても価格競争ができると判断し、 中国から日本国内や東南アジア各国に工場移転する企業は増えています。

 もし中国がまともな国であれば、今後も膨大な需要が見込まれる市場ですから、コスト計算だけではなく、生産拠点を中国に置いておくのもひとつの戦術だったという側面はあったでしょうが、しかし、 中国は経済の発展とともに覇権主義をむき出しにし始め、これに対し2019年前後から米中の貿易戦争が激化するようになります。

 2019年5月には、事務機器大手のリコーがコピーやプリンターなどの機能を持つ「複合機」の米国向け生産に関し、中国からタイへの全面移管を決めたと明らかにしました。   複合機は米国の対中追加関税「第4弾」の対象であり、影響額が数十億円に上るとみられるため、経営リスクを避ける目的があったと見られます。  こういう 米中対立構造も日本企業の中国からの撤退に拍車をかけているわけです。

 この米中摩擦の影響で、日本企業では中国生産を見直す動きがますます加速しています。  三菱電機やコマツ、東芝機械などは2018年に生産の一部を中国から他国に移管済みですし、 カシオ計算機も時計の生産を中国からタイへ移す準備を進めているとされます。  いずれにしろ製造業にとって中国という国の魅力はますます薄れていくようではあります。 (2019.5.16 THE SANKEI NEWS 引用)

 2020年の「新型コロナウイルス問題」により、中国依存の現状を見直す機運がますます高まっていきます。  日本企業には過去にもレアアース問題などで生産拠点を 中国から日本や東南アジア諸国に移す動きがみられました。  今回も日本政府は、一国依存度が高い製品で高付加価値品は、生産拠点を日本に戻し、 それ以外は東南アジア諸国へと分散する方針です。(2020.4.13)


 

日本政府も後押しする「企業の中国脱出」

 帝国データバンクによると、中国に進出している日本企業は約1万3600社とされますが、米国政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が、 2020年7月末現在、中国からの移転を決めた日系企業が約1700社に達していたことが明らかになったと報じました。  これは中国進出企業全体の約13%となります。

 この背景には、新型コロナウイルスの大流行によって中国にサプライチェーンを集中するデメリットに危機感を抱いたのと、中国における人件費アップによる製造コストの上昇や貿易障壁など、 多くの不確実性があることを改めて認識したことがあるといいます。

 中国ではこの10年間で人件費が大幅に上昇しており、日本貿易振興機構(JETRO)が2019年に実施した日本企業の調査では、中国での製造コストは日本を100とすると80ですが、 ベトナムは74、カンボジア65、ミャンマーは60となっており、日系企業は中国での投資コスト高で苦しんでいるとされます。

 このような状況下で、日本政府は2020年4月、中国進出日系企業のなかで、中国からの移転を決めた企業に約2400億円の予算を計上し補助金を出すことを決め、移転補助金の申請を受け付けています。   申請は2期に分けて行われており、6月末までの第1期期間中に移転補助金を申請した企業は87社で、政府は総額574億円を承認しているといいます。  さらに、 第2期分の締め切りは7月末で、合計1670社から申請が出され、総額では165億7000万ドル(約1兆8000億円)に達したといいます。

 RFAは専門家の話として、中国で新型コロナウイルスが大流行する状況下で、日本政府が中国からの移転を促進する政策を打ち出したことで、 「渡りに船」とばかりに中国からの移転を決めた日系企業が多くなってきたのではないか、と報じています。(2020.9.27 NEWSポストセブン 引用)


まだ負けていない日本の経済力

 急激な成長を続ける中国経済ですが、日本は2019年現在ではまだアジア最大の対外債権国です。  いずれ中国にこの座を奪われることになるのか、 はたまた、中国経済は失速していくのか、今後の展開が気になるところです。

 中国は巨大経済圏構想「一帯一路」で人民元の国際化を図る目的も抱いているとされますが、前途は多難のようです。    2019年2月の時点で国際取引における人民元の占める比率は1.15%で、過去数年この比率はほとんど拡大していないといいます。  さらに人民元を使用した国際取引の大半は香港で行われているとされます。

 国際的な融資は圧倒的にドル建てが占めていますが、日本の円は国際取引において比率は4.35%で世界第3位の通貨です。 ドルとユーロには遠く及ばないものの人民元よりはまだ大幅に上回っているわけです。

 鳴り物入りで2016年に誕生した中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、日本と米国が中心のアジア開発銀行(ADB)に対抗する機関ですが、 発足以降の融資は2018年9月までの融資残高は64億ドルにとどまっています。  これとは対照的に日本と米国が中心のアジア開発銀行(ADB)は2018年だけで358億ドルを融資しており、 2年前に比べると40%増という状況です。

 世界の外貨準備高のうち人民元が占める比率は2016年末時点の1.07%から1.89%に伸びました。  ところが同じ期間に円が占める比率は3.96%から5.2%に伸びており日本には負けています。    日本は過去15年で最も高くなっています。

 さらに、海外資産保有額を見ると、国際通貨基金(IMF)によれば2016年末には日本と中国の海外資産保有額がほぼ同水準でしたが、それ以降は日本の対外投資が中国を数百億ドルも上回っているとされます。

 IMFの入手可能な最新データによると、中国の海外資産保有額は2018年第2四半期時点で1兆5420億ドルとされていますが、 日本の海外資産保有額は2018年第3四半期時点で1兆6670億ドル(約187兆円)となっています。

 現段階では中国の対外的野心はまだ実績が言葉に追い付いていないわけですが、今後は中国の経済的影響力がますます増大してき、世界経済は中国に大きく左右されてしまうのか。    いつの日か中国は日本からアジア最大の対外債権国の座を奪うのか。 これからの中国経済に要注目です。(2019.4.23)


「白紙運動」は習近平政権崩壊の端緒となるか

 習近平政権は2020年の春節(旧正月)2日前の1月23日から、900万の市民が暮らす武漢に対し76日間にわたって「封城(フェンチェン)」の措置いわゆるロックダウンを行います。   日本では考えられないような強硬措置ですが、 「新規感染者が2週間連続ゼロになったら『封城』を解く」というかねての約束通り、同年4月8日に武漢はやっと「解放」されます。   これが功を奏したかは不明ですが、ウイルスが急速に拡散、蔓延していく勢いを食い止めたことで、 習近平は成功体験と認識したようで、以降中国は一人でもコロナ患者が出たらその町を「封城」するという極端な「動態清零(ゼロコロナ政策)」が取られるようになったのです。

 これにより河南省などは20代の女性一人が感染したとして、その地域に住む70万人が「封城」されてしまいました。   悲惨だったのは、中国最大の経済都市・上海です。     上海で流行ったのは、欧米人が「カゼのようなもの」と楽観視するオミクロン株でしたが、それでも習近平総書記は武漢方式の措置を強引に推し進めたのです。  これでは中国で最も合理的思考をする2500万上海市民に 習近平体制への反発心が芽生えるのも当然でした。

 1人でも感染者が出ればその地域をロックダウンし封じ込める政策を中国は3年も続けてきたわけですが、2022年11月には新疆(しんきょう)ウイグル自治区でマンション火災が発生。  ところが感染対策で逃げ道が封鎖されていたため、 避難できなかった住民10人が死亡したのです。    この火事では住民がベランダから助けを求める動画がSNSで拡散され、 この惨劇を目の当たりにした多くの若者たちが“非人道的で理不尽だ”として中国政府にSNSで抗議の意を示したのです。

 やがて、中国政府によるこのような強引なゼロコロナ政策に対し、抗議の意を示すため人々は白い紙を掲げる「白紙運動」を繰り広げ始めます。   習近平体制では厳しい言論統制が敷かれているため、“自由に発言できない故、無言の抵抗である”ことを示すためでした。

 この動きを警戒した中国政府は「白紙運動」の直後、ゼロコロナ政策の緩和に転じますが、市民の声が政策転換につながったことは、この10年に及ぶ習近平体制のもとでは異例の出来事だといわれています。      また、中国人民が習主席や共産党を直接批判するのは極めて異例であり、「共産党の指導部に向けられたこれだけ大規模な抗議活動は 1989年に起きた天安門事件以来だ」という見方が出ているほどです。

 そもそも中国4千年の悠久(果てしなく長く続く)の中国史などと言われますが、 その実態は血で血を洗う民族紛争と後継者争いの連続であり、 中国の歴代王朝は民衆の反乱によって倒され、王朝と領土が何度も入れ替わった断絶の歴史でした。  一党独裁国家の「寿命」は70年などといわれますが、 ゼロコロナ政策からくすぶりだした習近平政権への不満がキッカケとなり、いよいよ習近平体制が「終わりの始まり」へ追い込まれていくか、期待して注目していきたいものです。(2023.9.5)


習近平政権も例外ではない「滅亡の歴史」

中国は13億人を超える人口を抱え、56もの民族により構成されている多民族国家です。(2018年時点)   もっとも人口が多いのは人口の92%を占める漢民族ですが、 これだけ多くの民族が1つの国で暮らすのですから、当然様々なトラブルもつきもので、民族間の衝突も頻発しているとされます。

 中国大陸は14カ国もの国と陸の国境を接しているとされ、過去には常に異民族の侵入に常に脅かされてきた国です。 そのため万里の長城を作ったりしてきたわけです。    中国4千年、悠久の中国史などと言われますが、現実には次々に王朝が滅亡するパターンを繰り返してきたのが中国という国なのです。

 過去の中国王朝が滅亡するパターンには、大きく分けて、(1)後継者争いを巡る内紛、(2)強力な異民族の侵入、(3)人民の蜂起、の3パターンにより国が乱れ、 興亡を繰り返してきたとされています。 21世紀の初め、江沢民主席は、14カ国全てが中国を侵略する意図を持っていないと確信したとして、「わが国は歴史上初めて、平穏な世を迎えた」と宣言しています。   ひとまず滅亡パーン(2)の、"強力な異民族の侵入"という心配はなくなった中国ですが、実は滅亡を繰り返してきた中国において、執政者が最も恐れているのが、(3)の"人民の蜂起"といわれます。    それは習近平政権も例外ではありません。(2019.1.31)


一党独裁国家の「寿命」は70年?

 一党独裁体制の国家には「寿命」があるといいます。  ソビエト連邦の崩壊寿命は1917〜1991年の74年間、 メキシコの革命政権は1929〜2000年の71年で終焉を迎えています。    中国では中国国民党の一党独裁体制が中国大陸で1927〜1949年まで続きました。    その後中国共産党との権力闘争に敗れ、 中国国民党は台湾に逃れましたが、独裁体制は1949〜2000年までで終っています。  あわせて73年の寿命だったわけです。

 此の伝でいけば、中華人民共和国として1949年10月1日に建国され、今年で70年を迎える中国の共産党一党独裁体制は、 すでに崩壊の兆しが見えているわけです。  それは米中貿易戦争の影響で中国経済の先行きに暗雲が立ち込め、 中国経済全体は今や毎月のように減速し沈没への一途をたどっている、という具体的な形で中国を覆っています。

 さらに習政権肝いりだった「一帯一路構想」は、今や「闇金融」であるとの批判が世界的に広がり、欧米諸国から厳しく批判される一方でアジア諸国からの離反も相次いでいます。     一帯一路は今、風前の灯となっているのです。

 経済が発展するには民間企業の成長が不可欠ですが、習政権は逆に国有企業の肥大化に力を入れ民間企業の活性化を妨げる方向へ舵を切りました。    今の習近平政権はケ小平以来の「穏健路線」を放棄して、 毛沢東時代の強硬政治と過激路線に逆戻りしようとしています。

 米中貿易戦争の拡大が一因となり経済が悪化すれば、 それまで好調な経済で封じ込まれていた国民の不平不満が噴出し、習政権に対する批判が高まるのは必然です。    すると、これを押さえ込むため権力者は自由を制限し、権限集中に力を入れるようになります。

 中国の伝統的な政治思想に、「天が徳を失った王朝に見切りをつけた時、革命が起きる」というものがあります。    物事は流れに逆らって逆流に迷い込んでしまえば、あとは坂道をくだるように全てが悪い方向に向かいます。  独裁と覇権主義を強めた習政権の政治・外交路線のもたらした必然な結果として、 いずれ遠くない時期に「70年寿命説」が証明されるかもしれません。(2019.10.6)


中国崩壊の兆し

 1989年6月に起きた天安門事件で、当時運動を主導し、現在は米国に亡命し中国の民主化に関するシンクタンクを主宰する王丹氏は、現在の中国について、 「今は完全な監視社会になった。 宗教や少数民族への弾圧もひどくなった」、と指摘。  共産党一党独裁政権について、「必ず崩壊する」との認識を示しています。

 過去、中国という国はどの王朝の時代にも一旦力が衰えを見せ始めると地方が中央の命令に服さなくなり、それを防ぐため反体制派を締め付け過酷な取り締まりを行ってきました。   いわば見せしめのため誰かを血祭りに挙げてきたわけです。

 しかし、その手段も効力を失えば、国民が一層反発し国内はますます混乱状態に陥ります。   混乱から分裂に至り、そして次の支配者が統一する、ということを繰り返してきたのが中国王朝の実態なのです。    最近厳しさを増す中国の言論統制は、その兆しというわけです。

 さらに、1997年に英国から中国に返還され、外交と国防を除く「高度な自治」と資本主義制度の維持が返還後50年間認められていたはずの 香港で相次ぐ大規模デモも、習近平政権にとって頭の痛い問題です。

 王氏は習近平政権が主導する巨大経済圏構想「一帯一路」に関しても、「国内の財政破綻を引き起こして、政権崩壊のきっかけになる可能性がある」と主張しています。

 国際社会が注目する米中貿易戦争については、「中国がこれまでさまざまな不正を行ったため、国際社会の怒りを買った」と指摘し、米国との衝突は「起るべくして起きた」と分析。

 中国の将来に関しては、「独裁政権は対外拡張のなかで財政破綻を引き起こし、やがて崩壊するケースが多い」との見方を示した上で、一帯一路構想は「まさに対外拡張だ」とし、 「中国崩壊の兆しといってもいい」と語っています。(2019.5.29 THE SANKEI NEWS 引用)


  

「中国依存リスク」を回避せよ

 2020年に勃発した新型コロナウイルス騒動では、全国的にマスクが不足して大騒ぎとなりましたが、 この騒動で実はマスクの大部分は中国で作られていたことがあきらかになりました。

 以前から「中国依存リスク」は言われていましたが、マスク不足騒動を受け日本政府は改めて中国依存からの脱却を進める施策をとろうとしています。    埋蔵量が少なく精錬が難しいレアメタルは、以前から外交関係など状況変化で調達が難しくなるといわれていました。    平成22年に日本が尖閣諸島を国有化し緊張が高まった際も、中国が輸出を規制した経緯があります。

 現在レアメタルの備蓄は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が担っていますが、経産省が承認する仕組みに変えることとしました。(2020.3.15)


中国は悪い国.......日本人が持つイメージ

 日本人で中国に「良い」印象を持つと答えた人の割合は、2019年9月時点では15%.......マア、妥当というかこんなものでしょう。   なにせ彼の国に対して良いイメージはほとんどないのですから。

 それでも、2016年は8%だったのが、2017年で11.5%、2018年になると13.1%と低いながら4年連続で上昇しているといいます。    2020年春には習近平国家主席の「国賓」としての訪日が予定されていますが、こんなイメージの悪い国の指導者を国賓として招くというのは大丈夫なのでしょうか。

 2019年6月の日中首脳会談で、「自由で公正な貿易体制」を発展させ、「世界の平和と安定」に肩を並べて貢献していくと確認しあったとされますが、 これを真に受ける日本人はそれほど多くないでしょう。  日本政府は中国を“協力して国際秩序を担うパートナー”と考えているようですが、 国際的に孤立しつつある中国に肩入れするのは避けたほうが賢明でしょう。

 中国の「怖さ」を感じさせる事件も相次いでいます。  2015年以降、スパイ行為に関与したなどとして、 中国当局が事実関係を明らかにしないまま拘束した日本人男女は少なくとも15人に上ります。  この間も、 学術機構・中国社会科学院の招きで訪中した北海道大の岩谷將教授が、「中国の法律に違反した」という曖昧な理由だけで滞在先のホテルで身柄を拘束されるという事件がありました。

 その他にも、2018年8月、国連人種差別撤廃委員会が中国政府によるウイグル弾圧をめぐって、テロ対策を名目に100万人以上が強制的に収容されていると指摘しています。     これには、民族的に近いトルコのほか、ポンペオ米国務長官も「中国は宗教や民族の独自性を消そうとしている」と厳しく批判します。

 さらに、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した中国政府の内部文書によると、監視カメラや顔認証システム、人工知能(AI)などの先端技術を利用して、 多数のウイグル族を「要注意人物」と決めつけ、裁判を経ずに「職業教育訓練センター」と称する収容所に送り、中国化教育を強要していると広く報じられました。

 このように、共産党の一党支配という独裁政治体制下で国際的なルールなど無視し、尖閣諸島周辺の日本領海や領空をたびたび侵犯し、南シナ海を我が物にすると宣言するなど、 やりたい放題の無法国家中国に対し、良い印象を持つ日本人が多いはずはありません。(2019.12.11)


 

中国が徹底的に弾劾する「法輪功」問題

 法輪功(ほうりんこう)は1992年に李洪志(リ・ホンジ)が中国の伝統的な健康法である気功に基づき編み出したとされる気功団体で、 当時の中国政府も医療費の削減や社会貢献の面で有益であると認め、 わずか数年で1億を超える人々に愛好されるようになったといいます。

 法輪功の「法」は、神秘の力により腹部に宿ると言われる(仏教の)法輪に由来し、李が主張する教義は人が地球に来て輪廻転生する際に失ってしまった本来の神聖を復元する、 という世俗的な考えとはかけ離れた宗教的な要素を持っているとされます。

 しかし、やがて中国共産党のマルクス主義の学者が神秘性の強い教義をかかげる気功修練団体の危険性に懸念を抱くようになっていきます。   そして1999年以降は当時の国家主席・江沢民政権下の中華人民共和国において、 法輪功を邪教と定め気功や法輪功をマスコミで攻撃するようになり、活動を禁止し弾圧を始めるようになります。

 それに信者側が反発し1万人の法輪功信者が中国共産党指導部の暮らす北京の中南海に集結するという事態へと拡大。 中国共産党はこの前例のない抗議活動に驚き、 法輪功がコントロール不可能なところまで来たと判断。  それ以降法輪功は邪教と看做され迫害キャンペーンが開始され弾圧を強めていきます。

 その後法輪功を実践する人たち(法輪功学習者)は中国政府によって徹底的な迫害を受けるようになり、2006年までに10万人を超える法輪功の信者が逮捕され、 その多くが拷問や違法な殺害により刑務所で命を落としたとされます。  さらに、ウソかまことか法輪功の信者は、国際的闇市場で売買される「器官摘除」 (服役中の生きている信者から臓器を摘出したり、臓器を得るために信者を殺害したりすることを指す中国語)の犠牲にもなっているという恐ろしい話も喧伝されています。

 中国内ではいまだに毎年数百名の信者が逮捕され、国内では法輪功の信者数は激減したとされますが、多くの信者が海外に逃れ、逃亡先でコミュニティを作り、 中国大使館や領事館など中国高官が訪れる場所の前で、中国共産党を非難するキャンペーンを日常的に行っているといいますから、中国にとっては厄介な存在ではあります。(2020.7.8)


相次ぐ孔子学院の閉鎖

 「貿易戦争」などで米国と中国の対立が先鋭化する中、 全米の大学などに設置されている中国政府の非営利教育機構「孔子学院」に対する懸念と閉鎖要求が改めて強まっています。

 孔子学院というのは、中国語と中国文化の普及を目的として、中国政府が世界各地に設置している非営利の教育機関で、2004年から提携大学などへの設置が進められているもので、 全米の大学などに100程度ある孔子学院をめぐっては、米国内で「中国政府の政治宣伝機関と化している」との批判が高まっていました。

 2018年に入ってテキサス農工大、西フロリダ大、北フロリダ大で孔子学院の閉鎖が相次ぎ決まったのに続き、米南部フロリダ州の北フロリダ大は、 学内に設置されている中国政府の非営利教育機構「孔子学院」を2019年2月に閉鎖することを決めました。

 同大は閉鎖は「慎重な考慮の結果」であるとした上で、過去4年間にわたる孔子学院での授業が「大学の使命や目標と合致しないと判断した」、と説明しています。

 ホームページによると、孔子学院は17年末時点で世界138カ国・地域に522カ所あり、学院より小規模な「孔子教室」は79カ国・地域に1113カ所あるといわれます。    日本には「立命館孔子学院」など学院が14カ所、教室が8カ所開設されています。(2018.8.17 産経ニュース 引用)


「中国における民主化」は夢物語

 2018年3月に改正された中国憲法は、国家主席と国家副主席の任期規定を削除して、習近平の終身独裁を可能にしました。 これによって事実上の皇帝政治が復活し、 習近平は生涯に亘り引退せず中国王朝に君臨できることになったわけです。

 習近平は2035年までに党と国家のすべてを支配下に置くことを目指し、さらに2050年までに世界各国に中国型の社会主義を輸出し、全世界を中国共産党の影響下に置くことを考えています。     そのターゲットは先進国である欧州・北米・日本でさえ例外なく設定されているといわれます。

 中国はGDP(国内総生産)が世界第2位になったとはいえ、金持ちになったのは8千万人ともいわれる中国共産党員たちであり、決して一般人民まで豊かになったわけではありません。   「中国の夢」というスローガンの下、国内での愛国主義運動を強化し、不平、不満分子によるデモや爆破事件などテロ行為の急増を抑える動きを加速させ、自由に物も言えない社会となっています。

 21世紀の現代においても、 市民の権利を守ろうとする弁護士を大量に逮捕投獄しており、中国も豊かになれば早晩民主化するだろう、 いずれ体制内部から民主化を推し進めていくようになるはず、 という期待は幻想に終ろうとしています。

 中国の民主活動家・劉暁波(Liu Xiaobo)氏は、国家政権転覆罪で懲役11年を言い渡され服役中2010年にノーベル賞を受賞しました。 これに激怒した中国当局は何ら犯罪容疑がかけられていないにもかかわらず、 妻の劉霞氏の移動を厳しく制限、事実上の自宅軟禁状態に置かれました。

 普遍的な民主化という概念を封じ込めようとするこの政治体制を見る限り、「中国における民主化」は夢物語であることを感じさせられます。(2021.10.2 msnニュース 引用)


現代中国版「裸の王様」?

 習近平は腐敗摘発を名目に大量の官僚を失脚に追い込むことで、空いたポストに自派の官僚たち(之江新軍という)を大量に抜擢して勢力を拡大したほか、メディアやインターネット・民間企業への党の統制を強化し、 従来は体制内の異論として認められてきた穏健な政治批判をも徹底して弾圧するようになりました。

 従来のタブーを破って個人崇拝と個人専制体制の強化を推し進め終身独裁を可能とし事実上の皇帝政治が復活したと思われた習近平ですが、上海市内に暮らす女性が、 「私は中国共産党による洗脳に反対する」、「習近平の独裁的で専制的な暴政に反対する」と述べ、街角にあった政権のプロパガンダ看板上の習近平の顔に墨汁をぶっかける出来事がありました。

 この墨汁事件後、中国国内では興味深い動きが出はじめます。  例えば7月9日、党機関紙『人民日報』のトップページに「習近平」の文字を含んだ見出しが一切出なくなりました。   加えて7月15日にも同様の現象が観察されます。  1週間のうち何度も習近平に一切言及しないトップ紙面が組まれるのは政権成立以来はじめてのことです。

 7月12日には北京二龍路派出所が地域の会社に、「習近平の写真・画像やポスターおよび宣伝品」を撤去するよう通知を出していたことがネット上で暴露されたといいます。 中国の内部でなんらかの政治的な変動が起きているのはほぼ間違いないようです。

 中国ではかつて毛沢東時代に行き過ぎた権力集中と個人崇拝によって国家体制が硬直化し、多数の政治的迫害や社会の発展の停滞を招きました。   そのため1980年前後にケ小平が権力を握って以降はこれらが強く戒められてきました。

 しかし、2013年の習近平政権の成立以来、習近平はこれらのタブーを無視。  自分自身や父親の習仲勲に対する個人崇拝をなかば公然と復活させ、政権第2期となった今年春には国家主席の任期制を廃止したり、 憲法に「習近平新時代中国特色社会主義思想」と自身の名前を冠した思想を盛り込むなど、やりたい放題となっていました。

 ある日突然、中国の政治が習政権成立以前よりもずっとリベラルなものに化ける未来も決してないとは言えない。   問題はその日がいつ来るかだが......。  その前に、墨汁事件に事実上の端を発する習近平失脚というガセネタがどのように決着するのか、引き続き注視したいところだろう。 (2018.7.23 安田 峰俊  急展開! 習近平「没落」で中国政治のリベラル化がやってくる? 記事より引用)


「中国新四大発明」の倒産ラッシュ

 2017年頃、「中国新四大発明」ともてはやされたのが、高速鉄道、モバイル決済、ネットショッピング、シェア自転車、スタートアップでした。   シェア自転車の摩拝単車(モバイク)とofoは、鳴り物入りで世界各地に進出したものの、母国でモバイクはメガベンチャーの完全子会社となり、ofoは破産報道が取りざたされています。

 中国スタートアップのビジネスは、「赤字を垂れ流しながらライバルを潰し合い、最後に残った1社ないし2社が市場を独占した後に利益モデルを構築していく」、パターンが定番化しています。 つまり、競争力の高い企業がアリババ、騰訊(テンセント)のいずれかの傘に入り、それ以外の企業が死にゆくという淘汰の過程を経て、多くの業界が2大陣営に色分けされていくわけです。(2018.11.6 msnニュース 引用)


 

 

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(*1).....チベット侵略

戦後、戦勝国となった中国が領土拡張のため1948年からチベットへ侵攻、全域を武力で制圧し中華人民共和国の支配下に入れた。 犠牲者の数は120万人以上とも。   現在でも中国に不満を持つチベット人の一部は反抗している。



(*2).....文化大革命

大躍進政策の大失敗により2000万以上の餓死者を出し、国家主席を辞任せざるを得なかった毛沢東が、 権力回復の為に起こした政治闘争で1965年から約10年間続いた。
この間、中国は内戦状態の様相を呈し多くの人間が反動分子として処刑された。 犠牲者は大躍進政策での失敗による犠牲者も含むと総計8000万人に達するという説もある。



(*3)......PC(political correctness)

政治的・社会的に公正・公平・中立的で差別・偏見が含まれていない言葉や用語のこと。 この運動を「政治的に正しいおとぎ話」と皮肉る向きもある。



(*4)......9段線

 中国南部・海南島の付近から南に下り、北東に向かってU字のカーブを描いて台湾に至る9つの破線で形成されている。南シナ海のほぼ全域を覆い、その形状から「牛の舌」とも呼ばれる。 



(*5)......甲申政変(こうしんせいへん)

1884年(明治17)の甲申の年朝鮮ソウルで起こったクーデター。   開化派(独立党)の金玉均・朴泳孝らが朝鮮の独立と政治改革をめざし日本の援助で王宮を占領したが 二日後に清の武力干渉によって失敗した。

(*6).....天安門事件

1976年と1989年に起こっているが、日本では1989年のものを指すことがほとんど。
第一次(四五天安門事件)......1976年4月5日、周恩来追悼の為にささげられた花輪が北京市当局に撤去されたことに激昂した民衆がデモ隊工人と衝突、政府に暴力的に鎮圧された事件。 この鎮圧に先立ってなされた学生や知識人らの民主化を求めるデモ活動を包括している。 実際の犠牲者や逮捕者は不明。

第二次(六四天安門事件)......1989年6月4日、胡耀邦元党総書記の死をきっかけに民主化を求め北京にある天安門広場に集結していた学生を中心とした一般市民のデモ隊に対し、 中国人民解放軍が市民に向けての無差別発砲や装甲車で轢き殺し、多数の死傷者を出した大量虐殺事件。  実際の犠牲者や逮捕者は不明だがソ連の公文書には3000人の抗議者が殺されたと報告されている。



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