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中国による「新植民地主義」

 中国・習近平政権が進める現代版シルクロード=広域経済圏構想《一帯一路》は、中国の戦略的影響力の拡大が主な狙いになっています。   そのやり口は、まず途上国や債務国のインフラ整備を高利で引き受け、返済しきれぬ巨額の資金提供と身の丈を超える巨大インフラ計画をセットで持ち掛けます。

 そして、返済が滞ったり返済不能に陥ると、「待ってました」とばかりに国土の一部=特区や港湾を巻き上げるというヤクザ顔負けのやり方で、 正に中国による現代版「植民地主義」に他なりません。 麻生太郎副総理兼財務相が昨年11月の参院予算委員会で 「(悪徳)サラ金にやられたようなもの」と答弁したほど荒っぽい手口なのです。

 サラ金業者中国に対し麻生財務相は、「カネを借りた方も、ちゃんと計画を立てて返済しないと、サラ金に『取り囲まれちゃう』みたいな話になった場合、元も子もない」、 「『カネを貸した経験のない人が急に貸す』という話。 お手並み拝見だ」とも語っています。  経済・政治・軍事を支配する中国の“経済モラル”への不快感を示唆した発言でしょう。

 労働者も中国人が圧倒的多数で、被投資国の雇用に資する案件はわずか。 被投資国で中国への反発が高まるや、要人に賄賂を贈り、華僑系の経済人や政治家、 果ては留学生まで動員して反中のうねりを封じています。

  中国は経済力で巨大な海軍を創設し→海洋=海運を支配し→現代の植民地たる海外の港湾・特区を「買いあさり」→海軍の根拠地と海外市場を同時に獲得し→経済力をさらに拡大し、 海軍を一層肥大化させ…と、3要素の完全なる循環期に突入したわけです。  このまま膨張し続ける中国の軍事力増強のプロセスを断ち切るため、その基礎である経済力を弱める必要があります。

 ただ、米国との貿易摩擦が激化し中国経済に影響が出始める中、中国国内でも対外援助拡大を疑問視する声が表面化しつつあるようです。  習氏の母校、清華大の許章潤教授は、「無原則にアジアやアフリカを支援していけば中国国民の生活を締め付けることになる」と直言。 山東大の孫文広・元教授も 「中国国内にも貧しい国民が多いのに外国に金をばらまく必要があるのか」などと批判し、当局に一時拘束されました。(2018.9.4)


化けの皮が剥がれつつある一帯一路

 そんな現代版シルクロードも、そろそろ化けの皮が剥がれつつあるようです。 ドイツ貿易・投資振興機関の2018年2月のリポートでは、 《一帯一路は不透明な法的枠組みで、政治的不安定国に狙いを付けている。 中国国営銀行が後押しするプロジェクトの8割で、中国企業が恩恵を受けた》。

 米国も一帯一路国際協力サミット・フォーラムで、米国代表団を率いる国家安全保障会議アジア上級部長のマット・ポッティンガー氏が「一帯一路の受注業者の9割が中国企業」と証言。  「中国は透明性の高い競争入札制度を構築し、外国や民間企業を参入させることが急務」だと注文します。

 対中国警戒はアジア〜欧州へと伝播します。 EU28カ国の駐中国大使の内27人が連名で、一帯一路を強烈に批判する異例な報告書を作成しました。   いわく−《自由貿易に打撃を与え、中国企業の利益を優先している》。  (2018.7.23 産経ニュース【野口裕之の軍事情勢】 引用)


中国版サラ金業者.....アジア・インフラ投資銀行(AIIB)

 中国が主導するアジア・インフラ投資銀行(AIIB)は、途上国のインフラ整備などに融資する国際金融機関ですが、 融資を受けた途上国の返済が滞り中国に政治・軍事上も支配され、領土割譲する事態が相次いでいます。    もうダーウィン港やスリランカは中国に港を持って行かれました。

 インド洋の島国モルディブも、1600〜2200億円もの大金を借りたために返済が滞り、2019年中に中国への領土割譲が待ち受けます。   払えないとみるや「借金のカタ」として中国への「属国化」や「領土割譲」を強いているわけですが、まるで高利貸が「借金のカタ」に商家を乗っ取る時代劇ドラマでも観ているような事態が、 現代において世界中で起きているのです。

 パキスタンにおいては無償資金協力と緩やかな条件での最低900億円規模の融資と引き換えに、40年後にグワダル港をパキスタンに返還するまでの間、中国は港湾収入の91%を受領、 主要な税金も20年以上にわたり免除されるといいます。


(AIIB)の餌食となった国

 野口裕之氏は、一帯一路を、「悪徳サラ金戦略」と表現していますが、「借金のカタ」として「領土割譲→属国化」を債務国に強いるという、 まさに中国の貿易・投資・金融戦略は自己利益しか眼中にない『ゼロサムゲーム思考』そのものです。    

中国の進出と世界の動き
2019年 インド洋の島国モルディブも1600〜2200億円もの大金を借りたが返済が滞り、2019年中に中国への領土割譲が待ち受ける。
2017年 スリランカのハンバントタ港の借入金とバータで99年間の運営権取得。 港は、今後1世紀の長きにわたり「中国の飛び地」と化す。
2017年 ベルギーのセーブルルージュ港の港湾運営会社を買収。
2016年 アラブ首長国連邦(UAE)のハリファ港埠頭の35年間の利用権を取得。
2015年 豪州のダーウィン港を99年間の運営権取得。




巨大中国市場に魅了された先進諸国

 中国の現代史は毛沢東晩年の文革期における、知識人を中心に数千万人ともいわれる人民が虐殺され、 中国全体が阿鼻叫喚の生き地獄となった紅衛兵運動を経て、ケ小平(とうしょうへい)が改革・開放路線へと舵を切り、 硬直した社会主義計画経済に競争の論理を導入し、先進国から資金と技術を導入し経済に活力を与えたことで大いなる成功を収めます。

 中国のそんな姿を見たアメリカや日本、西側先進国は巨大な中国市場」に魅了され、「中国はそのまま開放を拡大して成長が続けば、 いずれか西側の価値観と民主主義制度を受け入れて穏やかな国になるだろう」、という期待感を抱き1980年代からは我先に中国進出を果たし、資金と技術の両方を中国に投下します。    1989年6月の天安門事件で起きた血の鎮圧の後でも中国への幻想を捨てきれず、 先進諸国はさまざまなかたちで中国の近代化と経済成長を支援を続けたのです。

 2001年に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した後でも、各国とも自国の生産設備をも中国に提供し中国の産業育成・雇用確保・外貨の獲得に大きく貢献していきました。    このおかげで中国の経済規模の拡大は勢いを増し、それに伴って中国の全体的国力と軍事力が飛躍的に上昇。   やがて中国はGDP世界第2位の経済大国になっていくのです。

 こうして成長した中国が強大化した結果、今の習近平政権はケ小平以来の「穏健路線」を放棄し、人民の自由と人権を抑圧し、横暴な独裁体制を確立し 覇権主義的・帝国主義的拡張戦略を推し進め、 世界有数の軍事大国になってアジアのみならず世界全体にとっての脅威となってしまいました。     世界は自国経済発展のためわざわざ悪魔の国をせっせと育成した、ともいえるわけです。 (2018.9.4)


中国の強引な経済支配

 2018年4月、中国当局は世界の各航空会社に対し、「台湾に関して中国当局が認めた表現を使う」、 つまり台湾を中国の一部として表記するよう航空各社に求め、 中国国内のウェブサイトだけでなく、全世界のウェブサイトを変更するよう通達しました。  従わなかった場合には、政府による立ち入り検査の増加や発着枠取り上げなどの制裁が下される、と脅します。

 これに応じてすでに多くの航空会社が中国の要求に従っています。  中国はとうとう武力以外にも経済力で世界を牛耳ろうとキバを剥き始めたのです。    6月14日時点でこれを拒否しているのは、米大手3社のほか、全日空(ANA)、日本航空(JAL)、韓国アシアナ航空、大韓航空、エアインディア、ベトナム航空など、 いずれも領土問題を含め中国との対立を厭わない歴史・政治的な理由を抱える国の航空会社だけであり、この先も中国の軍門に下ることのないよう願いたいものです。

 JALとANAは、中国、韓国、台湾を「東アジア」という地域でひとくくりにし、その中で都市名のみを表記する方式を採用。 実は、JALとANAの日系2社が取った「台湾」表記問題への対応は、 海外の他社とは異質なものでした。 表記方法について、最後まで試行錯誤を繰り返したのです。

 その後2社は、6月18日までに中国と香港向けのサイトのみ、表記を「中国台湾」に変更し、台湾や日本を含む他地域向けのサイトでは「台湾」表記を維持する“使い分け”を行います。

 海外航空会社が表記変更を行った際は、中国の行いを非難する形で台湾側は遺憾の意を表明していましたが、日系2社には明確に怒りを示します。 外交部の李憲章報道官は6月19日の記者会見で抗議の理由について、 親日家の多さを念頭に「台湾の人たちにとって(日本への)感情は特別だ」と説明しました。

 日本政府は日中国交正常化の共同声明において、台湾に関する中国の立場を「十分理解し、尊重」すると表明していますが、 「中華民族の偉大な復興」を掲げる習近平政権の強硬な姿勢は、台湾への圧力政策と連動しているわけで警戒が必要です。 現に中国のまいた種で日台が反目する事態も生まれつつあります。  ここは冷静に対応してもらいたいものです。(2018.6.24)


中国からの融資、投資に依存する米国

 日本にとってやっかいな相手となるであろう中国ですが、中国対米国という視点でみると少なくとも両国間で紛争常態になることはなさそうです。

 中国は3兆ドル以上の外貨準備の大半を米国ウォール街などで運用しており、もはや米国は中国からの融資、投資に依存している状態です。   世界最大の貿易国である中国としても海外の資源と市場に依存すればするほどインド洋、太平洋の長大な通商航路を確保する必要があり、 世界的制海権を握る米国と協調する他ない、というのが現状です。

 このことは、いざ日本と中国が紛争状態になったとしても、米国が中国に対し自国の安全を脅かす存在と判断しないかぎり、お互いに依存する関係を解消する気がないかぎり、 米国は日本だけを優先的に応援する、ということに期待はできないわけです。

 しかし、米国としても「南シナ海のシーレーンを通る米国の貿易額は1兆2000億ドル」という現状では「航行の自由」を確保するためにも中国の南シナ海支配は容認できません。

 米国は将来も自国の安全と国際的発言力を確保するため、世界的制海権を保持しつづける必要があります。      戦略的に西大平洋で制海権を保つためには、艦船の整備・修理機能がある日本と仲良くしておく必要があります。

 安全保障の戦略上、米国は南シナ海における「その地域の偵察活動の自由」を奪われるわけにはいかず、 そのためには横須賀、佐世保の2港および空母の入港中に艦載機が使う岩国飛行場は必要不可欠な存在となっています。

 いってみれば日本・中国・米国の関係は、ある意味三すくみ状態なわけで、日本もいたずらに中国を恐れず、過度に米国の応援を期待せず、独立国ニッポンとして世界のリーダーとして 堂々とした態度をつらぬいてもらいたいものです。(2016.11.16)


中国によるEU分断

 中国はEU28カ国のうちギリシャ、ポルトガル、ポーランド、ハンガリーなど13カ国と一帯一路の推進の覚書を交わしています。   そして、2019年3月、とうとう先進7か国のひとつイタリアも一帯一路協力文書に署名する事態となりました。

 中国は巨額の投融資を餌にして相手国の経済低迷に付け込み、そして港湾や道路などインフラ施設を手中にし、いずれ自国の大型軍艦が寄航できる施設を世界各国に設けています。

 その波がとうとう地中海にも及び始め、欧州全体の安全保障体制に亀裂を生じさせようかという事態まで発展したわけです。

 EUもやっと中国の脅威に危機感を抱き、2019年にEU28カ国がブリュッセルで首脳会談を行い、EU加盟国への外国による直接投資の厳格化など、 中国のやり方に対して『対中国・10項目の行動計画』が打ち出されました。

 しかし、そんなものは中国にとっては痛くも痒くも無いわけで、その後もEU加盟国である旧東欧・中欧諸国と首脳会談を行い、EU分断を図っています。

 アメリカ・ファーストを標榜する米国も、中国をこのまま放置していては、いずれ覇権国家・中国に力で支配される悪夢の世界が実現してしまう危険を看過できません。    現在米国は中国と熾烈な貿易戦争を繰り広げています。

 中国としても、経済発展に支えられあと一歩で再び栄光の『中華思想』が実現できるところまで来ているわけです。  そのため、経済融資をチラつかせ、EU諸国の切り崩しを図り、 必死に米欧分断を目論み対抗しています。  いってみれば、今世界は第三次世界大戦ともいうべき、『経済戦争』の真っ只中に晒されているわけです。

 幸いなことに、今中国の経済は徐々に勢いを失っているとされています。   中国がこのまま力を失っていくのか、それとも米中二強体勢が実現し、 アジアの覇権を手にした中国によって、日本が中国の顔色を伺いながら生きていくしか道がなくなってしまうのか、この対決が今後どのような結末を迎えるのか、世界が固唾を呑んで見守っています。(2019.4.6)


《中国製造2025》計画

 産業戦略《中国製造2025》計画も、他国の技術を強制的に移転し、知的財産権も飲茶を楽しむがごとく侵害する。


世界の食糧や資源を食い尽くす中国

 13億人以上もの人口を抱え、経済発展を続ける中国。 かつては世界の工場という位置づけでしたが、今では中国自体が巨大市場となっています。  いま世界はこの大国による食糧や資源の大量消費がますます増加することに脅威を感じています。

 原油価格は、リーマン・ショックで急落しましたが中国の経済成長に伴って1バレル=100ドル以上にまで上昇。 それが中国経済の減速懸念もあってたちまち急落、現在は40ドル台で推移しています。   原油ひとつとっても中国の事情に簡単に左右されているわけですが、もしこれが食糧にまで影響を及ぼす時代となったらどうなってしまうのでしょう。

 原油であれば代替エネルギーや消費の節約という対処方法がありますが、食べ物をガマンすることは出来ません。 必然的に激しい奪い合いが生じることになり、国家間の衝突の要因にも成りかねません。(2018.10.3)


いつ爆発するか.......「時限爆弾」を抱える中国

 膨大な質量で締め付けられている星が押しつぶされないのは、星の内部の核融合により発生した運動エネルギーを外側にむかって押し出し、 自分自身の重力で収縮しようとする傾向に歯止めをかけているからとされます。  星の内部では、重力によってどこまでも収縮しようとする力と、 核融合で放出されるエネルギーという二つの傾向がせめぎあい、微妙なバランスの上に成り立っている、というわけです。

 権力者が選挙という民主主義的な方法で選ばるわけでもない中国は、権力者のとるべき手段は「力で服従」させるしかありません。    国民や周辺諸国の不満(質量)を、政権が強権を発揮(運動エネルギー)して押さえ込んでいるから成立しているともいえます。    裏を返せばこういう国は内部エネルギー(権力)が少しでも減ると崩壊してしまうわけで、『常に政権転覆の危機を抱える国』ともいえます。

 いまや習主席は毛沢東流の個人独裁体制を作り上げ、憲法まで改正し国家主席の任期に対する制限を撤廃して自らが終身独裁者となる道を開いています。    しかし、これにブレーキをかけようとしたのが2017年に誕生したトランプ政権です。  トランプ政権は当初から「中国からの脅威への対処」 を最も重要な政策課題に掲げ、民主党、共和党問わず「中国敵視」というコンセンサスでまとまり、中国によるアジア支配に歯止めをかけようとしています。

 そして2018年、トランプ政権は中国に対する本格的な貿易戦争を発動します。  もともと広大なアメリカ市場は中国の経済成長の命綱の一つですが、 貿易戦争によって中国製品に高い関税をかけると、中国の輸出品はアメリカ市場から徐々に締め出されていくことになります。   これは習政権の覇権主義的国際戦略の推進に対するアメリカの「兵糧攻め」ともいえ、中国の最も痛いところを直撃するような高度な戦略でもあります。     実際、2018年上半期においては、中国の対米輸出は前年同期比で8%以上も減ってしまい、輸出全体もマイナス成長に陥っているのです。

 中国がこのまま経済衰退が続くようなら、国内の不満が高まります。  そうなれば習政権は毛沢東時代への先祖返りで政権の自己防衛を図り、 ますます思想統制と言論弾圧・民族弾圧を厳しくしていく必要が出てきます。    その影響は経済活動にまで及び、再び社会主義計画経済の統制下におかれ活力を失っていく可能性も出てきます。  中国経済は巨額な国内負債問題や史上最大の不動産バブルの膨張などの 「時限爆弾」的な大問題を抱えているとされますが、いずれその中の一つでも「爆発」すれば中国経済は一気に崩壊の末日を迎える可能性は十分にあります。

 マア、どんな星でもいずれその内部エネルギーを作り出す陽子(核融合の基本的な燃料)が減っていけば、やがて最後を迎えます。   我々太陽系の星太陽もあと50億年(!!)ほどでそういう運命となり、やがて星は最後を迎えるといいますが。(2018.10.12)


中国は「もろい大国」

 中国は「もろい大国」.....2018年5月に東京都内で開かれた保守系シンクタンク「国家基本問題研究所」(櫻井よしこ理事長)の創立10周年記念シンポジウムに登壇した世界的に著名なフランスの歴史人口学者、 エマニュエル・トッド氏の発言です。

《「中国はどうか。米国と戦略的に対立しており、巨大な人口を抱え、経済成長率が高い。 しかし私は、非常にもろい大国だと思っています。  出生率が急落し、急速に高齢化が進み、そして出生性比の問題がある。 生まれる女児100に対し、通常の国では男児105〜106人になるのですが、中国では118人。  女児の選別的中絶が行われています。 これは長期的には人口的不均衡を生み出すし、何より中国のメンタリティーが古いということを意味しています」   「さらに先進国と比べて高等教育進学率が低い。 中国はたしかに経済的・軍事的な大国ですが、新しい現代的な世界ではない」》(2018.6.27 産経ニュースより)


 

中国はこれからも経済発展を遂げていくのか

 近年目覚しい経済発展を遂げている社会主義国家・中国ですが、このまま世界有数の先進国家になっていくのか、それともいつか経済崩壊の道をたどるのか、 世界中が戦々恐々と見守っています。

 しかし中国がこのまま経済発展し続けることはありえません。  過去、世界の工場と呼ばれ世界中のメーカーが殺到した中国ですが、近年賃金上昇などの影響もあり価格競争力を失いつつあり、 東南アジア各国にシフトする動きもあってその立場も徐々に低下しています。

 中国メディアの網易は中国人と他国の価値観の違いを指摘し、「変化やイノベーションを評価する米国人と、人と違っていることを評価する欧州人、 そして細部までおろそかにせず、徹底して取り組む日本人と中国人はそもそも考え方からして違っており、その成功モデルを中国に導入すること自体が無理なこと」、 であり、中国製造業が今後生き残るには、中国人や中国社会に合致したポジショニングの確立が必要なのだと主張しています。(msnニュース・2018.6.18)

 確かに、たった30年で日本を抜き、アメリカにも肉薄する経済大国に変貌した中国のバイタリティは世界を驚かせてはいます。  さらに、これまで一人っ子政策を続けてきたため、 大事な一人息子を海外の戦場に送り出すマネはできない、だから中国は自ら戦争の引き金は引かないだろうという楽観論もあります。

 中国の経済リスクについては色々取りざたされますが、中国も日本と同様に少子高齢化が大きな問題となっています。  少子高齢化が進む中国は、多くの省では1人の高齢者を2人で養っている状況であり、 地方都市では高齢化も深刻化しているといわれます。

 逆に中国経済が失速した場合にも不安は出てきます。 かつて日本で生産年齢人口がピークをつけたのは1995年頃でしたが、中国が日本と決定的に違うのは「日本は生産年齢人口がピークをつけた時、すでに豊かだった」が、 中国は「豊かになる前に国が老いる」可能性が取りざたされています。

 さらに、中国では多くの人が借金をして不動産投資をしているといわれ、 少子高齢化に伴い「借金を抱えたまま老いる」老人が急増して深刻な経済問題が巻き起こる懸念もありますから油断できません。(2018.5.30)

 急ピッチで軍備拡張を続ける中国が、経済危機が深刻化する中で、国内の不満の矛先を外に向けるため 指導部が拡張主義の誘惑に負け日本・アジアの周辺海域に軍事進出してくる、という悪夢がいつか起こるかもしれません。(2016.1)


他国を浸食する中国の「植民地主義」の挫折

 中国は血で血を洗う民族紛争と、後継者争いの連続という 血なまぐさい歴史を何度も繰り返してきた国です。   いまの習近平体制は、己の正当性を強調するため反対派を次々に粛清し、人権派弁護士がある日突然警察に拉致され戻らないという、 見せしめのため誰かを血祭りに挙げてきた中国末代皇帝と同じ国家体制になっています。

 中国の伝統的な政治思想に、「天が徳を失った王朝に見切りをつけた時、革命が起きる」というものがあります。  過去、中国という国はどの王朝の時代にも一旦力が衰えを見せ始めると、地方が中央の命令に服さなくなり、それを防ぐため反体制派を締め付ける過酷な取り締まりを行ってきました。

 しかし、その手段も効力を失えば、国民が一層反発し国内はますます混乱状態に陥ります。   混乱から分裂に至り、そして次の支配者が統一する、 ということを繰り返してきたのが中国王朝の実態なのです。  2019年6月のデモでは中国習近平政権の対香港強硬姿勢が初めての挫折を味わったわけですが、 果たして近年繰り返される香港の民主化デモは中国崩壊の兆しとなるのでしょうか。

 2019年7月1日には中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を求め、若者らが1日に立法会(議会)に突入して破壊活動を行いました。    このまま香港の民主化の流れが加速するようなら、いずれ業を煮やした中国政府が武力で弾圧し「天安門事件」の再来という事態も考えられます。

 しかし、いまや他国を浸食する中国の「植民地主義」を目の当たりにした国際社会は、中国の危険性をはっきりと認識しています。    南シナ海を我が物顔で実行支配したうえ「ハーグ裁定」を紙切れと言い放ち、「一帯一路」というヤミ金のような手口で他国を浸食する中国に対し、 対中嫌悪の国際世論はかつてないほど高まっています。

 中国は「台湾問題」も抱えています。 2020年1月に予定されている台湾総統選挙では、 中国は何としても自分の息のかかった国民党を勝たせ、台湾を“平和統一”する道筋をつけたいと考えています。    香港における2014年の雨傘運動では「普通選挙」の要求はアッサリ無視されましたが、もし今後香港で普通選挙要求運動が広がり、 それに対して中国が武力の圧力で抑え込めば、すでに普通選挙体勢の台湾においては、少なくとも習近平政権の中国との統一は絶対ありえないという判断に傾き、 中国不利となるのは確実です。(2019.6.20)

 幸いにして台湾で総統選挙の結果は現職の与党・民主進歩党(民進党)の蔡英文氏(63)が約820万票(得票率57%)を獲得して圧勝し再選を果たしました。     中国との関係強化が台湾に経済的利益をもたらすと主張する対抗馬の最大野党・国民党の韓国瑜氏(62)の得票数は約550万票(得票率39%)でした。   蔡総統は勝利演説で、台湾を力ずくで奪還するといった脅しを放棄するよう中国側に求めます。(2020.11.6)


現代中国の「錬金術」

 国際金融不安の元凶とされる中国の債務は、2018年時点で銀行、「影の銀行」合わせた総社会融資ベースでみるとリーマン・ショックから現在までの10年間で5倍、 対国内総生産(GDP)比は10年前の2.1倍に跳ね上がったといいます。

 急速な債務膨張を支えてきたのが対米貿易黒字であり、米国の対中貿易赤字は10年間合計で2.85兆ドルといわれ、中国人民銀行はドル換算でほぼ同額の人民元資金を発行してきました。  人民銀行資金は商業銀行などを通じて同国の融資総量(債務にほぼ匹敵)を19兆ドル以上増やしたといわれます。

 この「錬金術」を可能にしているのが中国特有の通貨金融制度とされています。 中国人民銀行は自身が決める基準交換レートで流入するドルをすべて買い上げ、 人民元資金を市中銀行経由で企業、地方政府、家計へと供給しています。 人民銀行は外貨を裏付けにして融資を加速させ、不動産開発や工業生産に振り向け、同時に対外投資や軍拡にも外貨を投入してきたわけです。

 習近平国家主席肝いりの巨大中華経済圏構想「一帯一路」の推進や、南シナ海などへの海洋進出はリーマン後の米国経済に支えられてきたというわけです。

 米国は対中制裁関税いわゆる「トランプ弾」によって米中貿易戦争を仕掛け習政権の野心に冷水を浴びせました。 これによって年間3800億ドルに上る対中貿易赤字を、早急に2000億ドル削減する目標を立てています。   中国の国際収支黒字は年間1000億ドル前後と言われますから、トランプ政策は中国を赤字国に転落させる腹積もりなのです。 外貨不安を抱える中では中国は対外進出策も思うに任せられなくなります。

 窮地に立つ習政権が頼りにするのが世界最大の債権国日本です。 中国は外債発行や銀行借り入れを通じて対外金融債務を急増させていますが、それに最も貢献しているのが日本の金融機関といわれます。

 『トランプ政権の対中強硬策なかりせば中国は従来通り債務主導で傍若無人の対外進出策をとり続け、金融市場と安全保障両面で世界不安がどうしようもなく高まる。  親中派の経団連や財務・経産官僚、日銀は日中通貨スワップ協定締結が日本企業や邦銀のためになると言い立てるが、だまされてはいけない。 それは習氏の尻拭いなのだ。』(2018.9.22 産経ニュース 引用)


金儲け第一主義の社会構造

 技術の高さが強みの米国製造業、高品質の日本の製造業、 デザインやブランド力を強みとする欧米の製造業と比較し、 価格勝負だった中国製造業でしたが、近年は人件費上昇によって価格競争力は低下しています。

 これまでの「安かろう、悪かろう」の代名詞でもあった中国製品の強みが失われつつあります。

 中国では企業は利益を追求することだけが存在理由と考えている人がほとんどです。 日本のように「企業の社会的責任」や「企業は社会に貢献してこそ存在意義がある」という考え方は中国人にはありません。    「社会全体が金儲け第一主義」なのです。  だからこそ、安全性などに問題がある食品や製品の生産や流通を根絶できないのです。

 国内産業構造も、技術力が必要な産業より大量生産の一般消費品製造、組立が主流であり、 「デジタル一眼レフカメラのようなホンモノの高精度の超精密製品は、たとえ20年後でも製造できない」、社会産業構造なのです。    戦闘機や宇宙船は作れても、世界で通用する自動車は作れずエンジンさえ日本製に頼っているのです。

 近年の中国は宇宙開発や旅客機開発、さらには、スーパーコンピューターや通信機器、そして、ドローンなどの分野で世界をリードする高い技術力を獲得しはじめています。     「安かろう悪かろう」が代名詞だった中国製品も、高速鉄道や原発、スマートフォンなどは品質が向上しており、価格の安さからコストパフォーマンスの高さへとシフトしている分野も出てきました。

 しかし、一部の分野では、まだ日本や米国の技術力には到底及ばないというものがあるのは中国も認めています。 半導体の製造装置や工作機械などの付加価値の高い産業においては、 中国の技術力は日本や米国に大きく劣っているのが現状です。

 たとえば、トランジスタや集積回路に使用される半導体は現代において非常に重要な製品であり、日本には半導体生産に不可欠な素材で世界トップシェアを獲得している企業も存在しますが、 様々な技術障壁の存在によって中国は基幹技術をいまだに獲得できていません。

 「機械を作る機械」である工作機械はマザーマシンとも呼ばれますが、この分野においても日本の工作機械メーカーは世界をリードする存在であり、 米国の最先端戦闘機でさえ日本の工作機械がなければ作れないといわれます。   この分野においては、「日本、ドイツ、スイス」の企業が天下を取っているともいえます。

 工業用ロボットも日本が世界をリードしている分野であり、医療機器や光学機器などの精密機器の分野も日本や米国が圧倒的な強さを持っています。      中国は主に政府が主導する分野の技術力は高まってきましたが、民間の分野では世界最先端とはまだ大きな差があるのが現状です。  まだまだ日本や米国が進んでいるわけです。(2018.4)


パクリ天国・中国

 産業構造に限らず、モノ作りは国民性にも大きく影響されます。    我々日本人には、モノを造る職人が尊敬され、皆に喜ばれるものを作ろうとする文化が国民性として根付き、 良い物を造らなければ自然に淘汰される、という社会が形成されています。

それ故に競争が生まれ、ますます洗練された優れたモノが造られ、国際競争に打ち勝ち、買い手が増え、国の経済が潤う、というサイクルが完成されているわけです。

しかし、形さえ似せれば中身などどうでもいい、というニセモノ大国・パクリ天国と蔑まれる中国の社会風土からは、 良い物を造ろうという発想は決して生まれず、ホンモノの優れた製品が作られることはありえません。

 ニセモノが蔓延る文化が当たり前となっているから、世界一の家電生産国に住んでいてもワザワザ日本を訪れ、 日本メーカーが開発設計して中国で製造させた「炊飯器」を爆買いしていくわけです。

 中国アリババが運営しているショッピングサイト「タオバオ(淘宝網)」は世界最大のショッピングサイトと言われますが、空前の量のコピー商品や粗悪品を世に送り出しており、 グッチなど有名ブランドメーカーではタオバオで売られる自社製品のうち8割は偽物と見なしているそうです。

 安かろう悪かろうの粗悪品の代名詞となっている中国製品は、例えば食品などはまともな日本人なら買いませんし、当の中国人たちでさえ富裕層は口に入れようとはしないそうです。    このような体質の中国が今後も経済発展を続け、中国産粗悪品を世界中にバラまく事態になったら世の中はいったいどうなってしまうか、想像するだけで空恐ろしくなります。

 党・国家官僚制が法の上にたち、ごく一部の権力者とそれに結託して私腹をこやした人間だけが豊かになり、汚職や賄賂が蔓延し 、 大衆は権力者たちの思惑にコントロールされ、自由な発言が制限される中国が、このまま経済規模を膨張させ続けたら、 それこそ全人類の恐怖であり、世界はこの国の行く末を固唾を呑んで見守っているわけです。


中国による言論検閲

 2017年8月、英の名門ケンブリッジ大学の出版局は、それまで中国共産党の意向により特定の論文に対する中国国内からのアクセスを遮断していた措置を、 ようやく取り消すと発表しました。

 いままで遮断していたのは、天安門広場での大虐殺いわゆる「天安門事件」や、習近平国家主席のリーダーシップについての論考といった、 中国共産党が問題視する論文など数百件についてだそうです。

 ヤクザに絡まれた小学生でもあるまいに、大人の考えをする紳士の国だと思っていたのに、中国の理不尽な要求を聞き入れて今までよくもアクセス出来なくしていたものです。  イギリスよお前もか....というところです。    外部からの介入や干渉を受けない、という19世紀から続く学問の自由という思想は、どうやら中国によってメデタク死語とされたようです。

 こうした検閲措置に応じていたのは中国国内で自分たちの書籍などを出版することを当局に認めてもらうためとされますが、大学側は世界中から大批判を浴びてやっと解除したわけです。    ケンブリッジ大学のモラルはセイギよりお金だった、というわけです。

 中国による言論の検閲という横暴が、自由主義国家にも現実問題として起こったわけで、脅しで相手を屈服させ言うことを聞かせる中国のやり方は、 全世界で今後ますます増えてくるでしょう。

 自由主義国家イギリスでさえ中国による言論の検閲という圧力に屈したわけですが、今後は言論統制だけに留まらず、国の安全保障や教育、 経済についても中国の顔色を窺うようになるかも知れません。

 現に日本は中国に忖度し、とっくの昔に教科書を直しています。  1982年、「教科書検定基準」の中に、「近隣諸国の国民感情に配慮する」という「近隣諸国条項」を盛り込み、 反日的記述さえパスする悪しき前例をすでに作っていたのです。  以後中国や韓国はこの条項を根拠に、日本の教科書にたびたび注文・要求を出す現状があります。

 中国による言論・教育・経済統制の圧力がこのまま拡散していけば、いずれ、気づいたら世界中に中国の国旗が翻る、という悪夢の世界が誕生するかもしれないのです。     少なくても先進7カ国だけは中国の脅しに屈せず毅然と立ち向かって欲しいものです。(2017.12)


中国の干渉に脅える外国企業

 米国商工会議所(上海)のケネス・ジャレット会頭は「世界的に立場を強めている中国が、その影響力を利用して、自国の世界観を海外の組織や国、 企業に押しつけようとする典型的な例だ」と指摘。   「中国で事業を展開する企業にとっては、中国の主張する領土主権を全世界のウェブサイトに反映するよう変更するか、中国市場から排除、もしくは阻害されるかのいずれかだ」と述べています。(msnマネーより)

 この流れは航空会社だけに留まりません。  今年だけで、ホテル大手マリオット・インターナショナルやアパレルチェーンのザラ、独ダイムラー傘下メルセデスベンツなど、欧米企業10社以上が、 コンテンツに問題があるとして、中国当局による批判の標的となっています。

 こうした企業の多くは、中国市場からの締め出しを恐れ、当局の要求に従うことを余儀なくされている。  マリオットは、会社のツイッターアカウントから、 チベット人の投稿に「いいね」ボタンを押した契約社員を解雇するほどの気の遣いようだ。

 だがこうした中国の強気な姿勢は、トランプ政権、米議会の双方から反発を招いている。 超党派の上院議員は先月、米航空各社の最高経営責任者(CEO)に対して、 米企業に対する中国の干渉に立ち向かうよう書簡を送った。(いずれもmsnマネーより)   という情勢になっています。(2018.6.16)

 現代台湾政治に詳しい東京外国語大学の小笠原欣幸准教授は、「今回の台湾表記問題は中国のネットユーザーが外資系ホテルの地名表記を問題視した動きに、当局が呼応したのが始まり。  ナショナリズムの高まりに乗って中国当局が民間企業に対し、表記を変えないと営業上の影響が出ると迫っているのが一連の事態の本質だ」、と分析しています。(2018.7.28 msnマネー 引用)


カトリック教会も擦り寄る中国

 長年対立してきたローマ法王庁と中国でしたが、このたび中国が任命した司教を、ローマ法王庁が追認することになりました。

 もともと世界各地にいる神父を指導する立場の司教の任命は、ローマ法王庁が直接任命してきました。   しかし中国共産党は今まで自分の手が届かないところで司教が任命されることを認めてこなかったという歴史があります。

 従来、宗教の存在を認めてこなかった中国では、1957年に中国共産党の指導下で「中国天主教愛国会」が発足し、 独自に司教を任命するようになっていました。  これに反発するカトリック教信者たちは密かに地下教会に集まって祈りを捧げてきました。   ローマ法王庁も地下教会の神父の中から司教を任命してきたのです。

 中国とこのような関係だったバチカン市国は、今まで台湾を中国の代表として国交を結んできた、という経緯がありました。  そういう関係だった中国とバチカンが、今回歩み寄りを始めたのはズバリ中国の思惑が関係しています。

 台湾と長年対立してきた中国は、台湾を国家として承認している国を、中国の援助と引き換えに台湾と断交するよう動きを強めてきています。   その結果、蔡 英文(さい えいぶん)氏が総統に就任以来、すでに5カ国が中国側につき、残りは17か国となってしまいました。  残った中にバチカン市国が含まれています。

 さらにローマ法王庁としても、地下の信者たちが中国共産党の公認組織ではないことを理由に弾圧されてきたのを守りたい、という表向きの理由があっての和解かもしれませんが、 中国国内のカトリック教信者は一千万人とされており、この莫大な資産をみすみす見逃す手もなかったのでしょう。  宗教も"数の力"は無視できないわけです。

 たとえ宗教であろうが、結局のところ"いつの世も所詮はお金"、ということなのです。 この結果により、いずれローマ法王庁が民主国家・台湾を見捨て、共産国家・中国に靡(なび)いたとすれば、 まさに"世も末"という世界が実現するわけです。(2018.10.6)

★.... 【靡(なび)・く ⇒ 他の意志や威力などに屈したり、引き寄せられたりして服従する】。


中国政府に譲歩したアップルが生んだバグ

 2018年7月9日、アップルはiOSのパッチにより、一部のiPhoneで「台湾の旗を表示するとアプリや携帯がクラッシュ」する不具合が改善された、と公開しました。     この不可解な現象はアップルが中国の検閲に譲歩した結果だとセキュリティ研究者は非難しています。

 つまり、相手のiPhoneに台湾の旗の絵文字を送りつけることで、誰でも簡単に携帯を意図的にクラッシュさせることできる、というわけです。   「わたしが彼女にこの『死の絵文字』入りのメッセージを送れば、彼女の携帯はすぐにクラッシュするのです」と、セキュリティ研究者のパトリック・ワードル氏は言います。

 アップルは過去にも中国のような弾圧的な政府と交渉するなかで数々の譲歩をしてきたと指摘されています。 中国政府は過去約70年間にわたって、台湾は中国の一部であり、 独立した政府は存在しないとの立場をとっていますが、今回の出来事はアップルが中国の主張のお先棒を担いでいる実態をみせつけてくれたわけです。

 中国が頼めばデヴァイスに検閲機能をつけることさえ厭わないという今回のケースを知ると、アップルが中国市場を重要視していく限り、 今後も中国のゴリ押しによって細工されたiPhoneをユーザーが使うケースが起こる可能性は大いにあります。

 アップルはユーザーの利便性より強権国家の市場において利益を上げるほうを優先するメーカーであることだけは確かのようです。 (2018.7.21 産経ニュース・台湾の旗でiPhoneがクラッシュ−−中国政府に譲歩したアップルが生んだバグ 引用)


 

 

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コトバ学
(*1).....チベット侵略

戦後、戦勝国となった中国が領土拡張のため1948年からチベットへ侵攻、全域を武力で制圧し中華人民共和国の支配下に入れた。 犠牲者の数は120万人以上とも。   現在でも中国に不満を持つチベット人の一部は反抗している。



(*2).....文化大革命

大躍進政策の大失敗により2000万以上の餓死者を出し、国家主席を辞任せざるを得なかった毛沢東が、 権力回復の為に起こした政治闘争で1965年から約10年間続いた。
この間、中国は内戦状態の様相を呈し多くの人間が反動分子として処刑された。 犠牲者は大躍進政策での失敗による犠牲者も含むと総計8000万人に達するという説もある。



(*3)......PC(political correctness)

政治的・社会的に公正・公平・中立的で差別・偏見が含まれていない言葉や用語のこと。 この運動を「政治的に正しいおとぎ話」と皮肉る向きもある。



(*4)......9段線

 中国南部・海南島の付近から南に下り、北東に向かってU字のカーブを描いて台湾に至る9つの破線で形成されている。南シナ海のほぼ全域を覆い、その形状から「牛の舌」とも呼ばれる。 



(*5)......甲申政変(こうしんせいへん)

1884年(明治17)の甲申の年朝鮮ソウルで起こったクーデター。   開化派(独立党)の金玉均・朴泳孝らが朝鮮の独立と政治改革をめざし日本の援助で王宮を占領したが 二日後に清の武力干渉によって失敗した。



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