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破れかぶれの暴走...「GSOMIA」を破棄

 徴用工問題をめぐり日本企業に対し賠償金の支払いを命じたことを受け、対立を続けている日本と韓国ですが、韓国がいくら『輸出規制を撤回してくれ』と泣こうが喚こうが、 一向に妥協してくる気配も見せてこない日本に、とうとう文大統領は2019年8月22日、日韓の軍事情報包括保護協定「GSOMIA・ジーソミア」を破棄すると発表しました。    これで日韓対立が安全保障分野にも拡大することになったわけです。

 そもそも、GSOMIAは日本の防衛の要ではありませんし、GSOMIA破棄に過剰反応するのは危険です。 「GSOMIA」で韓国側から日本に提供する情報は、 脱北者に対する聞き取りや諜報活動で得られたものがメーンとされます。    これまで(2019年8月時点)共有された情報はわずか29件にすぎないといいます。

 しかも、そのほとんどが北朝鮮による弾道ミサイル発射関連であり、韓国側からもたらされる探知情報は、発射の兆候や発射直後のものですが、 こうした情報は米国からもリアルタイムで日本は得ているとされます。   これが無いと困る、ということでもないわけです。

 北朝鮮がミサイルを発射する場合、特に金正恩氏が参加する行事であれば、1〜2週間前にはその兆候が現れるとされ、 米国の高高度偵察機や情報衛星などで現地の準備状況などを把握できるのだとか。

 日本は軍事衛星を7基稼動させ朝鮮半島を監視していますが、韓国は衛星も高高度偵察機も一基も持っていません。     したがって従来の韓国の情報収集方法は南北軍事境界線沿いでの偵察活動が有力な情報収集手段であり、それさえも2018年9月の南北軍事合意後はやらなくなっていました。     自衛隊幹部は「影響がないとは言いがたいが、協定締結前(締結は2016年11月)に戻るだけで、ミサイル対応は米国と緊密に行えるだろう」とみています。

 日本政府内でも、「アメリカと緊密な連携をとっており、日本に影響はない。  むしろ情報が入らなくなって困るのは韓国のほうだ」、 「一言で言うと愚かだな、と思う。 日本にそんなに大きなデメリットがあるわけではない。 焦ってわれわれがドタバタして動く必要は、まったくないと思う」、 との見方が大勢です。

 当初、中国に擦り寄る朴政権はGSOMIAに否定的な姿勢を見せていました。  それがその後北朝鮮情勢の悪化やアメリカからの強い圧力により方針転換を迫られ、 シブシブGSOMIAが実現したという経緯があったわけです。(2019.8.29)


 

米国と決別するつもりだった韓国

 2015年9月3日、朴槿恵大統領は習近平主席が主催した「中国人民抗日戦争勝利70周年記念軍事パレード」に参加。     西側諸国の国家元首として唯一、天安門の楼上から人民解放軍のパレードを閲兵しました。     性懲りも無く中国の属国の立場に戻ろうとしたのです。

 当時の米中関係は、南シナ海とサイバーテロの問題で対立を深めている最中であり、同月ワシントンで行われたオバマ・習近平会談は、完全決裂に終わっています。    朴大統領の行為にバラク・オバマ大統領が、「韓国はアメリカの軍事同盟国ではなかったのか?」と激怒したのは当然なのです。

 ただ、これはある意味日本にとって僥倖(ぎょうこう・偶然に得る幸運)とも言うべき出来事でもありました。  2015年10月16日、怒り冷めやらないオバマ大統領が朴槿恵大統領をホワイトハウスに呼びつけ、 「韓国がアメリカの同盟国であることを示してもらう」、と最後通牒を突きつけます。

 そして、その「恫喝」が2015年11月2日の安倍首相と朴槿恵大統領の「初めての」日韓首脳会談につながり、同年12月28日の日韓慰安婦合意の成立へとつながった、というわけです。     さらに米国のこの恫喝はそれまで「蜜月」だった中韓関係に決定的な亀裂を与えます。  2016年2月7日、 米韓軍がTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の配備に向けた協議を開始する運びとなったのです。

 それ以降、地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備の米韓合意(2016年7月)、日韓GSOMIA締結(2016年11月)、在韓米軍の駐留延長という流れが起こり、 日米間の良好な関係を構築する方向に動いたわけです。   THAADの韓国配備により米韓軍事同盟の枠組みが元の鞘(さや)に戻ったともいえます。

 さらに、米韓軍事同盟の枠組みに韓国が戻ったことの象徴が、 2016年11月23日にソウルの韓国国防部で締結し、即日発効した日韓GSOMIAでした。  米国としては、日韓GSOMIAは日韓の軍事的な取り決めというより、 米韓軍事同盟の一部として捉えており、「GSOMIA」破棄を絶対見逃すわけにはいかないのです。

 しかし、せっかく築き上げられた日米間の軍事同盟は、その後に誕生した『日韓関係を100年後退させた男』文大統領の誕生で、 アッサリ反故にされる危機を迎えます。   さらに日韓の障害だった「従軍慰安婦問題」がせっかく解決の目処が立ったというのに、 この反日大統領の登場で振り出しに戻る事態となってしまいました。(2019.8.29)


 

「米韓同盟」破棄を目論む文在寅政権

 駐米韓国大使の李秀赫(イ・スヒョク)氏は米国との同盟関係について、「韓国が選択できる」との立場を表明しました。 「70年前米国を選択したからと言って、 今後も70年間米国を選択するわけではない」、「米国が6・25戦争(朝鮮戦争)のときに韓国を支援したことと、今後の韓米同盟は別問題」、と発言したのです。

 そういう生意気なセリフを吐いて同盟関係にある米国からは距離を置きたがり、自分の都合を押し付けてくる中国にはアタマが上がらず近づきたがるのですから、 韓国という国はどうしようもありません。   過去にも安全保障担当の文正仁(ムン・ジョンイン)特別補佐官が、「私にとって最善は、実際のところ同盟をなくすこと」と述べています。    外交においてもいかに現実を見ていないかが窺われる話です。

 朝鮮日報は社説で、『米国は韓半島に対する領土的野心がない唯一の国だ。何物にも代えられない自由民主体制を韓国と共有している。 反面、 中国は韓半島を自分の従属国と考えている国だ。歴史的に、地域覇権を追求しなかったことがない。暴力的外交政策を推進し、共産党一党独裁国家だ。 貿易量が多いからと、 こんな国を米国とはかりに掛けて選択できると言うのは、無分別な活動家学生くらいのものだ』、と述べています。(2020.10.16 msnニュース引用)


 

やはり騒動の黒幕はこの男

 日米間の良好な関係構築に一役買った朴政権を、ロウソク集会(抗議デモ)および国会での弾劾追訴の主導で退陣へと追い込んだのが、朴政権のレガシー(政治的遺産)を全否定する次の大統領、 反日・極左の文在寅です。  韓国経済のことなど後回しにし、「南北統一」、「反日主義」の二枚看板を掲げ、わき目も振らず邁進する彼の選挙公約は、 THAAD廃止とGSOMIA破棄、さらに戦時作戦統制権の返還というものでした。

 極端な反日政策をとる文政権誕生により、慰安婦問題解決の合意はちゃぶ台返しに遭い、元慰安婦の支援を目的とする「和解・癒やし財団」は解散となり、 日韓合意はアッサリ反故にされたうえ、THAADは追加の導入ができずに不完全な状態で止まりました。    戦時作戦統制権に関しても、早期返還に向けた動きが加速しており、文政権が掲げた選挙公約で残るのはGSOMIA破棄だけとなっていたのです。

 そんな中、2019年8月2日、日本が韓国を「ホワイト国」から除外する政令改正を決定し、輸出優遇国グループAからの韓国を除外します。    これに対し韓国は対抗処置として2019年8月26日、11月23日が執行停止期限のGSOMIAを、「延長は再検討するのが望ましい」と発言しました。    もともとGSOMIA破棄が宿願だった文大統領は、日本がとった輸出規制への対抗処置として、コレ幸いとばかりGSOMIA破棄を交渉材料に持ち出したのです。

 そもそも文政権がGSOMIAを破棄しようとしたことは、日本への反発だけでなく、中国へのおもねりの要素があったとされます。    韓国がGSOMIA破棄を持ち出した背景には、日本の輸出規制への対抗という見方もありますが、そもそもは北朝鮮に近づきたい文政権の、「日米韓の3国間の軍事協力体制を見直す」という戦略も関係しています。

 日本に対しては、韓国に対する輸出規制を撤回すれば、韓国もGSOMIA破棄撤回を検討すると譲歩を迫り、もし日本が話に乗ってこなければ米国に気兼ねなく堂々とGSOMIAを破棄できる、 という両面作戦を仕掛けてきたわけです。

 GSOMIA延長の代償として輸出規制撤廃を要求する韓国の手口に、日本側は「安全保障と輸出規制は別の次元である」としてその要求を頑としてはねつけます。    日本としても韓国政府が日本の輸出規制の対抗処置として協定破棄の方針を示した段階で、GSOMIA破棄もやむなし、という流れが大勢となっていきます。(2019.8.29)


 

いままでとやり方を変えた日本

 日本政府としては対韓輸出の管理強化と、GSOMIAの問題は別物とみており、 同じ俎上で議論するものではないというのが前提です。     従来の日本であれば、韓国が繰り出す「○○すれば考えてやる....」という戦法にまんまと引っかかり、数々の譲歩を重ねてきました。    しかし何度もちゃぶ台返しされてきた日本は、サスガに学習したようで、 今回日本側は一貫して引く気配を見せません。

 河野太郎外相は韓国の「GSOMIA」破棄について、「現下の地域の安全保障環境を完全に見誤った対応と言わざるを得ず、極めて遺憾だ」と表明。    「次元の異なるものを混同しており、断固として抗議する」、と述べ駐日大使を外務省に呼び抗議します。

 当初GSOMIA破棄が『日本への外交カードになる』という思い込みで強気に出た韓国ですが、日本側の冷静な対応に、韓国国内でも「想定外の決定」と言う声が上がり、 韓国の中央日報なども「GSOMIAの破棄、迅速に撤回を」と主張します。

 米国も、「強い懸念と失望」、「われわれの相互防衛と安全保障の関係は、日韓関係の別の分野で摩擦があろうとも、 一体性が保持されねばならないと強く信じている」、という表明を出します。

 ただ、アメリカとしては「GSOMIA」は日韓の軍事的な取り決めというより米韓軍事同盟の一部として捉えています。  このまま「GSOMIA」破棄を見逃すわけにはいかないのです。    今回の韓国の決定は、日米韓3カ国の安保協力に支障を生じさせるおそれがあります。

 2019年11月22日の韓国ギャラップの世論調査によれば、日韓GSOMIA破棄に関して、支持が51%、不支持が29%でした。  2020年4月に行われる総選挙を考えれば、日本とのGSOMIAを破棄するという 「反日カード」を切ることは有効であり、安全保障体制を交渉材料にして、輸出優遇国からの除外を撤回するよう日本に促したわけです。 利用出来そうなものならナンデモアリの国なのです。

 しかし、いくら肩肘張って対決しようとしても、日米などと異なり個人消費のすそ野が十分に広がっておらず、内需の厚みを欠く韓国経済は、現在韓国企業の業績悪化に歯止めがかからない状況となっています。     このままGSOMIA破棄で日米と対立、ということになれば韓国は自らの墓穴掘ることになりかねません。

 GSOMIA破棄騒動によって、韓国が決して信頼できる同盟国ではないことを、日本も米国も再認識しました。    「GSOMIA」協定の期限は2019年11月23日ですが、ハタシテ韓国のとる手段は....。(2019.8.29)


 

『北朝鮮だけを見ている』文大統領

 「GSOMIA」は日米韓で北朝鮮問題に対応しようという象徴でもあったわけですが、すでに文大統領と金委員長は何度も首脳会談を行っており、 実質「南北軍事協定」ともいえる関係が構築されてもおかしくない状況にあるのは確かで、そういう中で「GSOMIA」は邪魔だったのかもしれません。

 南北融和を推し進める文大統領は、就任前の演説でも「GSOMIAは再検討の必要がある」と見直しに言及していました。   GSOMIAは北朝鮮の弾道ミサイルと核兵器開発が飛躍的に進んだ2016年に、危機感を覚えた朴槿恵大統領がアメリカに促される形で国内の反対を押し切って推し進めて締結に漕ぎつけたものです。

 この時、締結に反対していたのが現在の文大統領の支持勢力であり、彼らはもともと「GSOMIA不要論者」なのです。    破棄の本当の理由は、朴前政権時代に締結された「積弊」の一つに過ぎなかったという見方もできますし、 ゙国法務部長官辞任要求から国民の関心をそらすこと、 北朝鮮への配慮を示すことであったという捉え方が大勢です。

 ただ、いかに「北朝鮮との融和志向」の持ち主でも、アメリカの説得にも耳を貸さなかったわけですから、やはりこの、『北朝鮮だけを見ている』左翼人物は危険です。   もはや韓国のやり方は生活費(日本との交渉を優位に進めるための事案)のためならば、どんな家財だろうが質屋に持ち込むようなもので、末期的状況を呈してきました。   このままではいずれ持ち出すものもなくなります。   将来は「日本・米国」VS「韓国・北朝鮮・中国・ロシア」、 という対立構図が訪れるかもしれません。(2019.8.23)

 2019年11月には亡命を希望した北朝鮮船員2人を北朝鮮に強制送還するという事件が起きます。  国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、送還された2人が本国で「拷問、処刑に遭う危険性」を憂慮し、 韓国政府に事情を聴く方針です。

 それまで2人の存在は公表されておらず、この事件は国会出席中だった政府高官の携帯電話メールが、メディアに撮影されるという偶然から発覚するという異例の経緯をたどっており、 文政権は秘密裏に事件を隠蔽しようとしたのではないかとの疑いの目も向けられています。 もうやることなすことがピントハズレの人物なのです。(2019.11.23)


 

「GSOMIA」破棄は中国を喜ばすためだった

 朴槿恵政権が取ってきた対米政策のすべてを否定して誕生したのが、いまの左派・文在寅政権なのです。  そもそも、2017年5月10日の政権発足以降、 文大統領の外交政策は「北朝鮮に従属し、中国と親交し、日本に反抗し、アメリカと離反していく」、という「従北親中反日離米」を貫いてきました。     文政権にとって日本とのGSOMIA破棄(韓国側は「終了」と表現)は既定路線だったのです。

 だからこそ日本の輸出規制をこれ幸いとばかりに、2019年8月23日、日本政府に「11月22日をもっての終了」と通告してきたのです。 (2019.8.29)

 習近平主席は従来から、『THAADを一刻も早く韓国から撤去すべきだ』と強調していますが、THAADを韓国に配備したのはアメリカ軍のため、文在寅政権はおいそれと撤去できなかったわけです。    文大統領訪中前の2017年、事実上の報復といえる韓国への団体旅行の制限という中国の強い反発を受け韓国は、○THAADの追加配備○米国のミサイル防衛への参加○日米韓安保協力の同盟への発展をしない、 という「3つのノー」を約束しています。

 そもそも「GSOMIA」破棄は、韓国の輸出の25%を占める中国を喜ばす軍事的な産物として日本とのGSOMIAを破棄したという見方もあります。    それを今回のドサクサでこれ幸いと代わりの軍事的な産物を無効にしてみせたわけです。    その他にも、失敗には終りましたが、 最側近でいずれ自らの後継者と見ていた曹国(チョ・グク)ソウル大学教授のスキャンダル(「タマネギ男」法相任命騒動) 隠しも要因として取りざたされています。

 反面、「GSOMIA」を日米韓連携の重要な要素とする米国にとっては、米中が覇権争いを繰り広げる北東アジア戦域の中でGSOMIAが破棄されることは大きな「痛手」になるわけです。    これにより韓国が“ルビコン川”を渡り、中国陣営に近づきつつあると受け止めたでしょう。

 韓国は2019年10月に中国との間で5年ぶりとなる国防戦略対話を行い、軍事的にも中国にすり寄る姿勢を見せている一方で、11月に行われた米韓の防衛金交渉は事実上の決裂に終わっています。     現状では交渉がまとまる可能性は限りなく低いと見るのが自然です。

 韓国の左傾化の動きを苦々しく思いながらも自重してきた米国は、今後は韓国に対する圧力を強めることは間違いないありません。 (2019.8.29)


 

「GSOMIA」破棄騒動の顛末

 韓国大統領府は2019年11月22日、「GSOMIA」を破棄するとした通告を停止すると発表します。  今回の決定はアメリカの圧力に押されての「譲歩」と見られ、 「GSOMIA」問題は、日韓の関係というよりも、もはやアメリカとの関係に決定的な亀裂を生む火種になっていたわけです。

 この停止通告を受け、当初日本側が何らかの譲歩をしたのではと見られましたが、実際は日本政府は当局間の貿易管理協議の再開に応じただけでした。  それに対し韓国は「GSOMIA」破棄の中止と、 さらにWTOへの提訴見直しまで表明していますから、日本側の粘り勝ちといったところでしょう。 いかに米国の韓国に対する圧力が強かったかということです。

 今回の出来事では対韓国に対する交渉のヒントがありました。  今回日本政府は韓国側が設定した土俵に乗らず、「GSOMIAと輸出管理は次元が違う」という主張を徹底的に貫きました。    「絶対に譲歩しない」という腹をくくった態度を押し通すことで韓国側の譲歩を引き出したわけです。  従来の日本は媚韓勢力がまず融和策を持ち出し、 そこにメディアが厭戦ムードを盛り上げ世論を後押した挙句、日本側からゴールポストを動かすというお決まりのパターンで韓国に譲歩を重ねてきました。   今回はエライ違いであり、ほぼ「日本の完全勝利」とも言えます。

 日本側の「ブレない姿勢」が功を奏したわけですが、やはりその背景には長期安定政権の「国益を守るという信念を持った強い指導者」安倍首相だからこそ成し遂げられた、 という面も多分にありました。    他には「力がある相手を味方につける」ということです。  安倍首相はトランプ氏に「いかに韓国の対応がおかしいか」を繰り返し説明してきたといいます。

 これが功を奏し、本来であれば日韓関係修復のため日本側に譲歩を迫るはずの米国も、軽々に日本に譲歩を迫る姿勢は封印せざるを得なかったわけです。     韓国とすれば「GSOMIA破棄」というエサをチラつかせることで、米国が日本に譲歩を強要するシナリオを描いていたわけですが、日本側の作戦勝ちというわけです。

 これには韓国メディアも、『日本には何の打撃も与えることができなかった。  文政権が反日カードで国内の政治の視線をそらすために破棄を持ち出しながら、名分も失い立ち往生する状況を自ら招いた』、 と文在寅政権を批判する論調が沸き起こります。

 23日付の韓国各紙は、協定破棄を持ち出しながら事実上撤回した文在寅政権に対して、「無能外交(朝鮮日報)」、「強硬一辺倒の未熟な対応(中央サンデー)」と批判する一方で、 「GSOMIA」が維持されたことを「破局は食い止めた」(東亜日報)とも報じました。(2019.11.23)


 

撤回理由は米国による恫喝説得

 やはり急転直下の舞台裏では、GSOMIA延長を重要視する米国による恫喝に近い説得があったとされます。    2019年11月21日、アメリカ上院は、「日韓GSOMIAの重要性を訴える決議」を、全会一致で可決。   同日、マイク・ポンペオ米国務長官が韓国の康京和外相に電話を入れて、 最後の説得を行ったといいます。

 この電話会談について日本政府関係者は、「ポンペオ長官は、康外相に対して、恫喝に近い言葉で迫ったようだ。 『もしも日本とのGSOMIAを終了するのだったら、 アメリカは今後、韓国を同盟国とはみなさない。  北朝鮮との交渉においても、韓国とは切り離して、完全に米朝だけで進めていく。来年の在韓米軍の駐留経費も、 トランプ大統領が主張するように、アメリカ側の総意として(今年の)5倍を要求していく』、と迫ったとされます。

 韓国はこうした強圧的なアメリカの態度に気圧され、最後の最後で翻意した、というわけです。  ただ、日本も胸をなでおろしてばかりはいられません。    トランプ大統領は、非公式に日本にも来年の在日米軍の駐留経費負担を今年の5倍するよう要求しているとされます。

 結局、米国は日本に対して「日本もぜひ、柔軟な姿勢を発揮してほしい」と強く訴え、韓国に「救命ブイ」を投げるよう促します。  日韓両政府が22日夕刻に発表した「合意」は、 (1)韓国はGSOMIAの破棄通告を停止する、(2)日韓は課長級による輸出管理規制措置を巡る協議を局長級に格上げする、(3)輸出措置の撤廃に向けたロードマップをまとめる、というものでした。

 「日本が言うことを聞かないのでGSOMIAは破棄するしかない」という目論見だった韓国は、米国の度重なる要求に、「我々だってGSOMIAの延長を望んでいる。 だが、日本がまったく名分をくれないから、 どうしようもない。  (輸出規制緩和を)日本を説得してほしい」、という戦術でした。  GSOMIA延長を重要視する米国を頼り、 取引条件として「米国が日本に輸出規制緩和するよう説得してくれる」ことを期待したわけです。

 しかし、米国側はGSOMIAを使い米国を日韓の経済と歴史をめぐる対立に巻き込もうとする文政権のやり方に、「GSOMIAは日韓関係とは別の問題だ。 北東アジアの安全保障を維持するため、 GSOMIAを維持してほしい」として「同盟関係の悪用」に強い姿勢を示したといいます。

 これで韓国政府内でも妥結やむなしの空気が急速に広がったわけです。  ただ韓国としては日本に譲歩したと見られないよう、 外相が国会答弁で「日本が譲歩しなければ、GSOMIAは明日失効する」と答弁し、世論のつなぎとめを図ります。

 日本側としては、米国に頼まれた末の望まない形で至った「合意」である、ということを言外にアピールします。  安倍首相は11月22日夕刻、記者団に対して淡々と、 「韓国も戦略的観点から判断したのだろう」と述べます。  日本政府関係者の1人は、「韓国の措置を評価するとは言わない。    だが、この間の韓国の迷走ぶりを批判もしない。」と語りました。(2019.11.27)


 

相変わらずの無法国家ぶり

 GSOMIA失効を寸前で回避させたことについて、韓国は「韓国はいつでもGSOMIAの効力を終了できるという前提で、2019年8月23日の終了通知の効力を停止させることにした」、 と述べました。   文政権がGSOMIAの延長を言明しても、「暫定的」あるいは「条件付き」であれば、その実際の効用は大幅に減殺されることとなります。

 もともとGSOMIA第21条の第3項には、「この協定は、1年間効力を有し、一方の締約国政府から他方の締約国政府に対しこの協定を終了させる意思を90日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り、 その効力は、毎年自動的に延長される」、とあります。

 そのような国家間の協定を締結しておきながら、「いつでも効力を終了できる」と放言することは、国際社会のルールを守る国家であればありえない理屈です。    やはり韓国と言う国は外国との条約を尊重する意識など持っていないことを隠そうともしない、相変わらずの救いがたい無法国家なのです。

 ソ連(現ロシア)という国も、大戦末期に日ソ中立条約破り、北方領土に侵攻してくるという、 文明国のルールから外れた野蛮な振る舞いを行いました。

 韓国政府が、「いつでもGSOMIAの効力を停止できる」と虚勢を張るのは国内世論対策なのでしょうが、韓国はソ連のような条約破りをする可能性があるゾ、 と自ら公言したわけですから、やはり韓国を法治国家と呼ぶにはまだまだ時間がかかりそうです。(2019.11.23)


 

GSOMIA騒動、第二幕の開演

 日韓とも消化不良の結果となったGSOMIA騒動第一幕でしたが、早速韓国は日本の経産省が行った対韓輸出規制を巡る発表を、「韓日で合意していた内容を意図的に歪曲し膨らましたものだ」と反発します。

 日本側は局長級協議について、韓国の貿易管理体制の不備を改善するためのものと捉えているのに対し、 韓国側は対韓輸出規制が迅速に撤回されるべきと主張しており双方の認識に大きな違いがあります。

 日本側が全面的に勝利したかのような空気になっていることに強く反発する韓国は、「GSOMIA」破棄を停止すると発表した理由を、『日本が譲歩の姿勢を見せたから』としますが、 菅官房長官はすぐさま25日の記者会見で、謝罪の事実を否定します。  さらに文政権寄りのメディアも『一月もすれば韓国はホワイト国へ復帰するだろう』、という記事まで出します。

 しかし、中央日報は23日の社説で、文政権の「強硬一辺倒の未熟な対応策が示した限界だ」と指摘し、朝鮮日報も「無能外交が恥ずかしい」と批判しました。     保守系新聞ばかりか、これまで文在寅政権を擁護してきた革新系のハンギョレも同日の社説で、「政府の発表内容が、 日本の輸出規制撤廃を要求してきた私たち国民の目の高さには達し得ないとの指摘は避けがたい」と述べ、革新系もこの合意を支持しないことを明らかにします。

 韓国側は、局長級協議の期限を設けなかった理由について、記者団に「日本に対する配慮」と説明しますが、「期限を定めれば、逆に韓国政府が追い込まれかねないという実情も計算しての措置」(日韓関係筋) との指摘も出ています。

 韓国では文在寅支持層を中心に、「韓国はGSOMIAで日本に譲りすぎた」という批判が強まっており、日本が2019年12月までに輸出規制措置を撤廃しなければ、 韓国内でGSOMIA破棄を支持する文政権の支持層が黙ってはいないでしょう。  来年4月の総選挙を前に、文在寅政権が徴用工判決問題でより強硬な姿勢に転じる可能性もあります。

 一方、日本としても徴用工の不当判決に日本が反発し勃発した韓国への輸出規制が、韓国の一人相撲とも言える「GSOMIA破棄騒動」で簡単に撤回するはずはないものの、 以前として解決の糸口が見えているわけではありません。  とりあえずのGSOMIA「失効」は回避したものの、日韓の関係改善の道筋は相変わらず見えません。

 それにしても、文大統領という人物の政治は迷走するばかりです。  米国の圧力で「GSOMIA」破棄を停止させられたばかりか、 11月25日に韓国で開催された韓国とASEANの対話関係樹立30年を記念して開かれた会議に、北朝鮮の金委員長を招待しますが、 『新南方政策の片隅に北南関係をはめ込もうとする不純なたくらみ』、と一蹴されます。  八方ふさがりなのです。

 この先、この世紀の反日指導者は、「GSOMIA」をどう利用してくるでしょうか。  また、日本は「原則的な問題では譲歩しない」という毅然とした態度をいつまで貫くことが出来るでしょうか。    はたしてGSOMIA騒動、第二幕はどんな展開となるか、気になるところです。(2019.11.26)




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